『ベースボール不要論』

[副題]~大マスゴミと野球(よきょう)/現代日本の致命傷~
[副々題]~がんばれ日本! なくなれ読売!!~

第2章 どうしてこんなに野球なの? 私の勝手な推測① 日本の男は「へなちょこ」である!!![4]

2005年04月07日 | 第2章
[4]

 時代はずいぶん変わったとはいえ、いまでもかなりそうだと思いますが、たとえば、そこらへんの普通の会社に入社した若者が、自己紹介でこんなことを言ったらどうなるでしょうか? 考えてみてください。

  「僕はラグビーとか水泳のような体を激しく動かすスポーツが大好きです。野球とかゴルフみたいに長ズボンはいてジーッとしてるヤツは嫌いです」などと。

 そんなことを言ったら、おそらく彼はその会社にいづらくなるでしょうね。その会社には「長ズボンはいてジーッとしてるヤツ」を好む男たちがきっと多いからです。

 この国の場合、だいたいどこへ行っても「へなちょこ男たち」のコミュニティみたいなものが自然発生していますから、「長ズボンはいてジーッとしてるヤツ」をある程度好きにならないとやっていけない。いやいや、やっていけないどころではない。彼はきっと「つぶされて」しまうのではないでしょうか?

 突然ですが、ここでゴルフにもご登場願いましょう。ゴルフもまた、わが国の殿方が大変好むスポーツです。楽ちんだからですね。ゴルフは本来「紳士のスポーツ」なのですが、この国ではそんなことは問われません。

 日本列島がもうすでに「ゴルフ場列島」なのは周知のことと思います。飛行機に乗って上空から見下ろせば一目瞭然です。ところが、それにいっそう輪をかけてゴルフ場だらけになりそうな時代がありました。みなさんもご記憶でしょう。1980年代後半から90年代にかけての、いわゆる「バブル期」です。

 バブル経済が崩壊してくれたおかげで、なんとかこの無謀な自然破壊にストップがかかりましたが、そこらへんの平均的サラリーマンどもは、中学生が学校指定の体操服を買うようにゴルフセット一式を買い揃えていました。そんな時代がたしかにありましたね。

 そして「ゴルフをやらない奴は一流のサラリーマンにはなれないぞっ!」といった雰囲気が、当時のサラリーマン社会に醸成されました。恐ろしいです。恐怖です。もしバブルがはじけてなかったらと思うとゾッとします。

 言うまでもなく、ゴルフも野球と同様、不活発な「長ズボン競技」です。激しく動く必要がまったくない。全然しんどくない(競技「そのもの」が)。だからみんなで飛びつきました。群がりました。たかりました。ゴルフという紳士のスポーツを冒涜しているとも知らず、日本国中で「雲助ゴルフ」が繁栄したのです。もしバブルがはじけてなかったら、‥‥‥‥いまごろわが国は「へなちょこ帝国」になっているのではないでしょうか?

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 激しく動き回る必要がほとんどない、あまりキツクない、おおむね楽ちん──。すなわち「不活発」という野球そのものの特徴は、多くの日本人男性の「へなちょこ性」に見事に合致しました。激しいのはイヤ、しんどいのはイヤ、キツイのはイヤなのです。

 子どものころは野球、大人になってゴルフ、そして年老いてゲートボール(そんなに動きたくない? そんなに走るのイヤ?)──。この国の「へなちょこ男たち」の王道でしょう。

 一国のスポーツ環境を創り出すのは女性たちではなく、やはり男たちです。で、この国の場合、その男たちの多くが「しんどいのはイヤだぁ!」だから、この野球というきわめて不活発なボールゲームが、この国の人気No.1スポーツになってしまったのです。そして、わが国は「高濃度」の野球大国になり仰せたのであります。(つづく)

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