『ベースボール不要論』

[副題]~大マスゴミと野球(よきょう)/現代日本の致命傷~
[副々題]~がんばれ日本! なくなれ読売!!~

第12章 もはやベースボールは「18禁」?

2005年06月04日 | 第12章
 ここで小結論でございます。

  × × × × ×

 健全な「スポーツ文化」として正しく繁栄しようという意志すらない日本プロ野球(=「プロ余興」)を筆頭に、大新聞社様がゴリ押ししつづける「汗と涙と感動」のアナクロ高校野球など、プロ・アマを問わず、野球の世界はもうとっくに地に堕ちていると思います。海の向こうの「薬漬けMLB」も同じです。野球、野球道、ベースボール……、何でも構いません。もはや、子どもの教育にもよろしくないというレベルのもの、すなわち「18禁」!!! 決して言い過ぎではないと思います。ホント、ひどいものです。

 わが息子のためにアダルトビデオを買ってくる親なんていないでしょう。でも、わが子を東京ドームや甲子園球場に連れて行ったり、野球用品を買い与えキャッチボールの相手をしたりする親はまだまだたくさんいます。
 これこそが日本スポーツ界の不幸だと思うのですが、やはり、わが国の高度に大衆化した社会の下層部に、鈍臭い人々のコミュニティのようなものが完全に凝り固まっているのではないでしょうか? そのコミュニティの人たちがスコップを手に、無自覚ながら野球界の周辺に穴を掘りつづけている。だから、地に堕ちているのに全然そう見えない。まさに「牛のよだれ」。そこそこの繁栄がダラダラとつづいているわけです。

  × × × × ×

 おそらくこの先、野球界はちびちびと改革を進めていくでしょう。いくら平均的な野球ファンがボーッとした「受け身人間」の群れとはいえ、進めていかなくてはならないでしょう。

 最近も、プロの選手が高校生を指導できるようになったとか(いままではできなかったのかい?)、50年ぶりに新球団が生まれたり、セ・パ交流戦など、ちょっとした変化(みな「改革」などと誇張していますが)がありました。
 また、観客数もようやく実体に近い数字を発表するようになったようです。海の向こうのMLBも、薬物汚染の解消に向けて一応、動き出したよう。筋肉隆々だったメジャーリーガーの体はしぼみ、ただいまホームラン数激減中だそうです。「このままではちとマズイなぁ」という危機感は一応、あるようです。

 でも、すべては小手先の改革に終始するでしょう。プロが高校生を指導できるようになったなどという話は、「マイナス5000」が「マイナス4999」になったようなレベルの話です。観客数をちゃんと発表するのも当たり前。
 本当に変えなければならない根本の部分、たとえばプロ野球なら、『読売』を筆頭とする大メディアのいないところへ飛び出して新たなもの(もちろん企業色を排除した“正しい”もの)をつくるなどということは、きっとだれにもできないでしょう。

 自分たちの社会があまりよろしくない歪んだ社会だということを、野球界の人々も十分承知しているはずです。しかし一方で、平均的な野球ファンというのは、何も考えていない受け身の人々が主流ですから、急いで改革を推し進める必要もない。すなわち「ダメ」なままでも行ける、というのが現実です。高校野球だって大新聞社様主催の、ジャーナリズム不在の「教育野球」のままでいられます。
 ところが、みなさん、このままではいけないのですよ。わが国が江戸時代のように再び国を閉じるというのであれば、いまのままでもいいのですが……。(つづく)

  × × × × ×