くにたちの声

国立市の市政について、国立市民・納税者の立場から発言していきたいと思います☆ presented by Y.Suzuki

東京新聞8月4日付け記事への反論 (その1)

2012年08月28日 23時31分33秒 | 国立マンション訴訟
前市長・元市長が2代続けて違法行為を犯し、住民から提起された住民訴訟でともに敗訴するという前代未聞の不祥事が続く国立市。
この住民訴訟が原告住民側勝訴で確定したため、現在、地方自治法の規定に則り、国立市が原告となって前市長・元市長に損害賠償を求める二段階目の訴訟が東京地裁に係属中である。
ところが、この訴訟をめぐって、最近、違法行為を犯した元市長を擁護する偏向報道が相次いでいる。

当該住民訴訟の原告代表としての立場から、こうした報道に対する反論を試みる。

<東京新聞の記事>
さる8月4日付け東京新聞朝刊の記事も、そのひとつである。
同朝刊1面トップに、「守った景観 自治か独裁か 元国立市長 求められた賠償3000万円」という見出しの記事が掲載された。
この記事には、小嶋麻友美という署名が入っている。

記事は、「東京都国立市のJR国立駅からまっすぐに延びる桜とイチョウの並木道。」という文章ではじまる。
そして、「元市長の上原公子さん(63)は在任当時、建物を並木と同じ高さまでに制限する条例を定めた。そのことがもとで今、市から三千万円払えと訴えられている。」と続く。

さらに、記事は次のように続く。

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上原元市長は、景観を守るために条例をつくったのに、それが原因でマンション業者から訴えられ、「業者の営業を妨害した」とする判決が確定したために国立市が業者に三千万円を支払った。これを上原元市長に請求するよう市に求める裁判が住民から起こされ、東京地裁は「強引に政策変更した行為は違法」とし、責任を市長一人に押しつけた。
こうした動きを疑問視する弁護士が全国から名乗りを上げ、約四十人が手弁当で元市長を支えている。

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要するに、この記事は上原公子元市長を一方的に擁護する、不公正な記事なのである。
つまり世に言う提灯記事である。
そればかりか、一連の訴訟に関する記述には不正確な部分があり、さらには、法治主義や「法律による行政」を否定するような主張もなされている。

このような低次元の言説については、本来黙殺するのが妥当であると思われるが、東京新聞という有力メディアが、多摩版ではなく朝刊一面といういわば全国版に掲載したことを重視して、敢えて反論をする。

<マンション建設をめぐる訴訟の経緯>
まず、上原元市長をめぐる訴訟について、事実関係を確認しておきたい。

平成13年、国立市内に建設されたマンションをめぐり、マンション業者が国立市を相手取って、信用毀損を理由に損害賠償を求める訴訟を提起したのが、今回の問題の発端である。
平成16年2月の東京地裁判決は、上原元市長の信用毀損行為を違法と判断し、その違法行為に起因する国立市の国家賠償法上の責任を認めたうえで、マンション業者の請求額の満額を認容し、国立市に4億円の損害賠償を命じた。

この後、平成17年9月の東京高裁判決は、損害賠償額を2500万円に減じたものの、上原元市長らの営業妨害行為および信用毀損行為を違法と判断し、第一審判決と同様に国立市の国家賠償法上の責任を認めた。

この高裁判決は、上原元市長らの違法行為について、以下の四点に分類している。

元市長による本件マンション建設計画の漏洩により、本件マンション建設計画に対する反対運動が発生し、マンション業者による本件マンション建設計画の説明会が大きく紛糾したこと(本件第一行為)。
元市長および国立市は当初は、本件マンション建設計画に対する具体的な指導は行わず、マンション業者に対し、専ら大学通り周辺の景観保全のための自主的な対応を期待していたが、元市長の強い意向もあって、建築物の高さを20メートル以下に規制する地区計画および条例の制定という方策に変更し、平成12年1月24日に地区計画の告示・施行、同年2月1日に条例公布・施行に至ったこと(本件第二行為)。
元市長は、平成13年3月6日および同月29日の定例国立市議会において、留保を付けずに本件マンションが違反建築物である旨答弁をし、これを受けた反対派住民らが、本件マンションが違反建築物である旨を記載したポスター、チラシ、看板等を街頭に配布・掲示したこと(本件第三行為)。
元市長は、平成12年12月27日、建築指導事務所長に対し、平成12年の東京高裁決定での本件マンションが違反建築物である旨の判断部分を尊重する対応を求めるとともに、平成13年12月20日、マンション業者に本件マンションの検査証を交付したことについて、反対派住民らと共に東京都建築主事に抗議し、また、東京都知事に対し、同年7月10日付け文書で、本件マンションのうち、高さが20メートルを超える部分について、電気、ガスおよび水道の供給承認を留保するよう働きかけ、これらについて広く報道されたこと(本件第四行為)。

そのうえで、高裁判決は次のように判示している。
上記四つの上原元市長らの行為については、「全体としてみれば、本件建物の建築・販売を阻止することを目的とする行為、すなわち第一審原告の営業活動を妨害する行為であり、かつ、その態様は地方公共団体及びその首長に要請される中立性・公平性を逸脱し(特に本件第一行為及び第四行為)、急激かつ強引な行政施策の変更であり(特に本件第二行為)、また、異例かつ執拗な目的達成行為(特に本件第一、第三及び第四行為)であって、地方公共団体又はその首長として社会通念上許容される限度を逸脱しているというべきである。」とし、「第一審被告らの本件第一ないし第四行為は、全体として第一審原告の営業活動を妨害する違法な行為であったということができる」と結論づけた。

この高裁判決は、平成20年3月の最高裁決定により確定している。

(続く)

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