切られお富!

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<訃報> 音楽評論家 宇野功芳

2016-06-11 23:59:59 | カメレオンのための音楽
情報が遅くてなんですが、亡くなったことを知らなかったんですよね。クラシックを聴き始めたころなんか、この人の本を随分参考にさせてもらいました。吉田秀和が亡くなった時よりも、いないと寂しい感じがするのはわたしだけでしょうか。ご冥福をお祈りいたします。

今は必ずしも宇野功芳支持者じゃないんだけど、むかしはクラシックのバイヤーズガイドって、この人の新書くらいしかなかったし、教養主義っぽくない、べらんめえな語り口が面白くて、結構愛読したものでした。ボロクソなカラヤン批判とか、自分の趣味に対して嘘のないところがよかったんじゃないですかね。逆にいえば、どのジャンルの批評でも、配慮しすぎな言説がきょう日多すぎるんですよ。ロック評論家だって、なかなか悪口書かないですものね。そういう意味では、クラシック評論界の吉本隆明だったのかもしれませんね。

で、このひとで忘れてはならないのは、自ら指揮したCDの数々でしょう。しかも、変態的ですらある自己流解釈の連続。わたしなんか、だいぶ遅れて宇野盤を聴き、その風変りさに仰天したものです。実際、美しい均衡の演奏を好む、宇野功芳の天敵カラヤンや小澤征爾ファンからは、ボロクソな反撃を食らっていましたが、日本のクナパーツブッシュを気取っているかのような演奏は、クラッシック演奏のパンクって感じで、わたしはそれなりに面白がって聴いていましたよ。

ところで、交友のあったチョン・キョンファやエリック・ハイドシェクは何かコメント出しているんでしょうか?あと、共著者の中野雄さん、福島さん

訃報を受けて、わたしは朝比奈隆のブルックーナー交響曲8番(個人的な趣味でN響97年盤)を聴きました。ご本人はお葬式にどの曲をリクエストしたのかな?追悼コンサートなんてあったりするんでしょうか?

改訂新版 宇野功芳のクラシック名曲名盤総集版
宇野 功芳
講談社


宇野功芳の「クラシックの聴き方」
宇野 功芳
音楽之友社


クラシックCDの名盤 大作曲家篇 (文春新書)
宇野 功芳,福島 章恭,中野 雄
文藝春秋


オーケストラリサイタル
宇野功芳,新星日本交響楽団
アート・ユニオン


モーツァルト:フィガロの結婚 序曲
宇野功芳,ハイドン,モーツァルト,ベートーヴェン,大阪フィルハーモニー交響楽団
オクタヴィアレコード


ブルックナー:交響曲第8番
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