切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

30年前、期待されていた映画監督たち

2022-09-26 00:00:00 | アメリカの夜(映画日記)
要するに、評論家の言ってることなんか当てにならないということが言いたいんだけど、あまりに無残なんですよね。

淀川長治&蓮實重彦の1990年の対談で、最近は文庫にも再掲されているので、ご記憶のある方も多いでしょう。以下の通りです。

<ロッテルダム映画祭 今期待される世界の映画作家投票(1990)>

①ヴィム・ヴェンダース
②ジム・ジャームッシュ
③侯 孝賢
④スレイマン・シセ
⑤ピーター・グリーナウェイ
⑥陳 凱歌
⑦ジャン・リュック・ゴダール
⑧レオス・カラックス
⑨スティーブン・フリヤーズ
⑩セルゲイ・パラジャーノフ
【次点】
⑪柳町光男

しかし、この中で、この30年間、期待通りに活躍した監督はいるんでしょうか?

むしろ残念だった人ばかり。1990年に亡くなってしまったパラジャーノフは仕方ないとして、『夢の涯までも』で淀川さんに嫌われたヴェンダースに始まり、『パターソン』と『ギミーデンジャー』はちょっと良かったけど、ぱっとしないジャームッシュ。『悲情城市』以降なかなか自由に映画の撮れない侯 孝賢、中国に飲み込まれ初期とは違う作家みたいになってしまった陳 凱歌、映画を撮らないカラックス、作品が入ってこないのでわからないシセ、『枕草子』以降情報が入ってこなくなったグリーナウェイetc.

結局、人の言うことは参考程度なんですよね。この間、真に充実したフィルモグラフィーをたくさん重ねたのは、クリント・イーストウッド、スピルバーグ、ウディ・アレンだったかなと。わたしは、あまりクリストファー・ノーラン、ポール・トーマス・アンダーソン、ソフィア・コッポラ、グザヴィエ・ドランなんかの支持者じゃないんで、余計にそう思いますね。

世の中、思ったようにはいかない!本も雑誌もネットもSNSも信じすぎちゃダメってことですな~。




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