切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

『愛の流刑地』は果たしてエロか?

2005-06-16 00:37:41 | 超読書日記
自分のブログのアクセス解析を見てるといろいろなことに気づかされる。基本的に歌舞伎ネタ目当てで来てくれる方が主流である一方、何気なく書いたネタがなぜか根強い人気のアクセス数を維持していたりすると不思議な気持ちに襲われる。長い前置きになったけど、そんな不思議な人気を集め続けているのが、日経新聞に連載中の小説『愛の流刑地』ネタで書いた記事。

【過去に書いた記事】
日経新聞の『愛の流刑地』
今日のアイルケ(愛の流刑地)。

基本的な感想や批判は以前の記事に書いたのですが、いろいろコメントも頂いているので改めてわたしの見解を述べておくと、別に「エロだから新聞朝刊に載せるな」といっている訳ではない。要するに、小説としてレベルが低いから駄目だというのがわたしの基本的な見解なんですよ。

だいたい「エロ」っていったって、たいした「エロ」じゃないでしょ、これは。むしろ、「エロ」というより「衰弱」という印象しか与えない内容の連続(といっても別に熱心に読んでいるわけではないが!)。「良識への挑戦」というような意欲も感じられない代物ですよ。

結局、おっさんがこっそり読んでにやつくという程度の、じつに保守的で安全な表現なんだと思いますね。(このあたり、典型的な日経新聞のスタンスという気もするが。)

日本の小説でいったって、谷崎潤一郎の「鍵」や「瘋癲老人日記」、川端康成の「みずうみ」や「眠れる美女」、室生犀星の「蜜のあわれ」なんかは、みな晩年の作品ながら圧倒的にアナーキー。渡辺淳一あたりにそんなことを望むのが間違っているとはいえ、昔の老年の作家のほうがよっぽど冒険的なんですよね。

まあ、こんな衰弱したものを話題にしていると自分も萎んでしまいそうなんで、この辺で・・・。

因みに、個人的には、同じ文化面に今月掲載中の「私の履歴書」(野村克也氏)が面白くて愛読させてもらっていますけど。


みずうみ  川端康成 著

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1 コメント

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愛の流刑地は排泄物 (山々)
2005-06-28 06:59:47
連載ポルノ小説「愛の流刑地」は渡辺淳一の尻からの排泄物同然。汚く臭く悪臭を放ち続けている。
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