切られお富!

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続・美輪明宏と赤木圭一郎!

2007-09-08 02:35:35 | アメリカの夜(映画日記)
先日記事を書いたこの件ですが、問題の「月刊現代」10月号、読みました。これは、かなり読み応えありますね~。

これは、ノンフィクションライターの豊田正義さんという方が取材して書いたルポで、タイトルは「オーラの素顔 実録 美輪明宏」という連載。

「月刊現代」10月号は、その連載の2回目に当たるんだけど、読み逃した前号も含め、続けて読みたいという衝動に駆られる渾身の内容になっています。

今号は、美輪明宏が霊媒師あたりと接触するようになり、自分が天草四郎の生まれ変わりだと信じるようになったきっかけを前半で語り、後半は霊媒師の世界にのめりこむようになったきっかけとして、事故死した恋人・赤木圭一郎との関係に迫るものになっている。

詳しくは「月刊現代」を読んで頂くにしろ、わたしが妙に納得したのは、美輪と赤木が親しくなったきっかけが、文学についての会話だったというくだり。

美輪の割合クラシックな文学趣味の話はともかく、あまり世間的には知られていないんだけど、赤木圭一郎もなかなかの文学青年で、60年安保にも関心を持っているような若者だったという話は一部ではよく知られていた。(この連載のなかでも、赤木がカフカやバルザックを読んでいたという話が出てくる。)

その点が、本当に愚連隊のような暮らしをしていた石原裕次郎や案外真面目だったが、そういう趣味はなかった小林旭とは決定的な相違点だったわけだけど、アクションスター・赤木圭一郎のイメージとはあまりに違ったために、赤木本人のなかの空虚感を埋める存在として当時の美輪がいたのかなと想像してしまう。

ただ、美輪の注意深い発言として、赤木は同性愛者ではなく異性愛者だったというくだりがあり、あくまで精神的な結びつきであったことを強調しているんだけど、このあたりの真実は結局当人にしかわからない永遠の秘密ということなのでしょう。まあ、わたしにはどっちでもいいですけどね。

とにかく、現在の超然とした美輪明宏の素顔と昭和史が重なる面白い連載で、一読をオススメします。

それと、赤木圭一郎の映画もね!

月刊 現代 2007年 10月号 [雑誌]

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