切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

嗚呼、無念。わたしの五月。

2005-05-31 07:17:48 | かぶき讃(トピックス)
今月は何かと忙しく、チケットを押さえてあった文楽公演・第一部には行けず、歌舞伎座の方も朝から並んだにもかかわらず、昼の部の当日券しかとれず、かなり悲しい一ヶ月だった。

もっとも、歌舞伎座・夜の部の方は、演目的にも、「まあ、いいか」という気もなくはないのだけど、返す返すも残念なのは文楽の方。「盛綱陣屋」と「冥土の飛脚」、とりわけ吉田玉男さんの忠兵衛がみたかったなあ…。

定年のない芸の世界。とりわけ、高齢の演者の多い文楽界なのだけど、本当の円熟期の芸が観られる時期というのは案外短いのでは、と思えてしまうときがある。長い熟成期間を経た演者たちの芸は、個々の体力問題も含め、極めて短い賞味期限しか持たない場合も多いのではないだろうか。

なにしろ、現在、立役人形遣いの最高峰・吉田玉男さん86歳、浄瑠璃・切り場語り・竹本住太夫さん80歳ということを考えると、いったいあと何年、至芸が観られるのか…。

とにかく、考えている暇があったら舞台に駈けつけろということか。目の前の仕事より、目前の舞台ですよ、皆さん!!(自戒も含めて。)

五月の文楽のチラシ
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