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切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

『セントアンナの奇跡』 スパイク・リー 監督

2009-08-13 23:59:59 | アメリカの夜(映画日記)
いま公開中のこの映画。泣けました!スパイク・リーにアカデミー賞あげてもいいんじゃない? というわけで、簡単に感想っ!

第二次世界大戦中、イタリアに進駐した実在のアメリカ黒人兵部隊バッファロー・ソルジャー。彼らの話の映画化ですが、非常にバランスの取れたいい作品です。

というのも、アメリカ軍、ナチス・ドイツ軍、イタリアのパルチザン、それぞれを一方的に美化したり、悪人にしたりしていないんですよ。なので、戦争映画としての深みがあります。

たとえば、ナチスの捕虜の待遇がアメリカの黒人兵の待遇よりよいという現実。虐殺を平気で行うナチス幹部もいれば、虐殺が耐えられないドイツ兵もいる。また、英雄もいれば裏切り者もいるパルチザン…。

おまけに、三者とも宗派は違えどキリスト教徒で、みんな戦場では神に祈っていたりする矛盾…。

つまり、戦争を単純に敵味方の二元論にしてしまわない、「人間ドラマ」として描いているからよいんですよね~。

個人的には、妖艶なイタリアの人妻と黒人版「荒川良々」みたいな役者がわたしはよかったなあ~。

まあ、最後はいかにもだけど、わたしの周囲の観客は泣いていました!

ところで、個人的にはアメリカ国家って好きじゃないんだけど、それでも優れた戦争映画を作り出しているという点で、アメリカ文化っていうのはたいしたものだとは思います。

たとえば、この映画やイーストウッドの硫黄島二部作みたいな映画を日本では作れるのかって、結構大きい問題だと思いますね~。

(日本で戦争映画をやると、妙にセンチメンタルなんですよ。最近だと『私は貝になりたい』とかね…。)

というわけで、絶対オススメ。でも、なんで、スパイク・リーの映画って、日本では受けないんですかね?(わたしが観た日もガラガラだったし!)
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