切られお富!

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2020年に観た映画ベスト20

2021-01-03 00:07:04 | アメリカの夜(映画日記)
2020年は長らく見逃していた映画とか、昔見た映画なんかをまとめて観ることができました。ということで、旧作も含む私家版ベスト20を備忘録的に残しておきます。

①アリラン
②テイク・ディス・ワルツ
③レッツ・ゲット・ロスト
④4か月、3週と2日
⑤ビサイド ボウイ
⑥リチャード・ジュエル
⑦早春
⑧ミネソタ大強盗団
⑨ハズバンズ
⑩ヘンリー&ジューン
⑪ジョーカー
⑫不屈の男たち
⑬ペパーミントキャンディー
⑭リリーのすべて
⑮ミラル
⑯女は二度決断する
⑰よこがお
⑱黄昏
⑲バーダーマインホフ
⑳光をくれた人

(次点)
レイニーデイ・イン・ニューヨーク
刑事ジョンブック 目撃者
オアシス
愛の奇跡
郵便配達は2度ベルを鳴らす(ヴィスコンティ)
郵便配達は2度ベルを鳴らす(ジャック・ニコルソン)
蛇皮の服を着た男
ダムド 地獄に堕ちた野郎ども
アウェイ・フロム・ハー
ピールストリートの恋人たち
パラダイス・ナウ
ブルーバレンタイン
翼にかける命
愛するときと死するとき
コレラの時代の愛
アレクサンダー大王
山の焚火
ミッシング
一条さゆり 濡れた欲情
ナイト&デイ
人生劇場 飛車角
愛の渦

①は先日亡くなったキム・ギドクが自身を題材にしたドキュメンタリーだけど、彼の最高傑作じゃないかな。すべてを失った映画監督が、テントに籠って自分自身を被写体に映画を撮る。これがちゃんと映画になっちゃうところが才能で、これからも元気のない日は観たい映画。なので、突然の訃報にはビックリした!

②去年知って、大好きになってしまったカナダの女性監督サラ・ポーリー。主演のミシェル・ウィリアムズも自然で好きなので、この映画にはまりました。シャワーシーンなんか女性監督でないと演出できない気がします。

③ジャズトランペッター&シンガーのレジェンド、チェット・ベイカーの有名なドキュメンタリー映画だけど、日本版のDVD出てないですよね?なので、今回初めて観ました。かつて色男でモテモテだった男がボロボロになりながらトランペットを吹く姿、あのかすれ声がカッコいい。モノクロの粗い画面もよいです。

④最近ツタヤが押しているんで、観たのですが、以前カンヌのパルムドールを取ったルーマニア映画。友達の中絶を助ける女の子の話なんだけど、長回しのシャープな演出に、友達のダメっぷりが映画的に良いんですよ。傑作!

⑤はデビット・ボウイの元盟友ギタリスト、ミック・ロンソンのドキュメント。ボウイファンなら絶対泣けます。しかし、元ボウイ夫人アンジーの「面倒くさい女」感が凄い!あと、若い頃の、まだ何物でもなかった時代のボウイの話も面白いです。

⑥クリント・イーストウッドの新作だけど、文句なし。今だから観るべき映画。ネトウヨみたいなひとはこの映画を観て、宮台真司のyoutubeの解説も観てください。

⑦スコリモフスキーの映画はいくつか見ていたんですが、これは見逃していた。人生損してました。リンダの前のポール・マッカートニーの恋人ジェーン・アッシャーが妖しい年上女性の役で出てくるんですが、彼女のレインコート姿が良いんです。それと、ミュンヘンのスタジオで撮ったそうだけど、イギリスっぽい美術!ちょっと自慢ですが、そのミュンヘンのスタジオ、見学したことがあります!ちなみに、関係ないけどキース・リチャードの元奥さん?が出ている映画は『バーバレラ』ですよね!

⑧はしばらくDVDが出てなくて(今は出てるみたい)、幻の西部劇といわれてきた作品だけど、なんとNHK-BSで放送!素晴らしかったです。フィリップ・カウフマン監督、よいです。ラストが特に良い。

⑨カサヴェテスの映画だけど、ほかの作品ばかり語られて、この作品とか、『ミニーとモスコビッツ』が語られないのはよくないですね。この映画は西川美和の本(『映画にまつわるxについて2』)に映評が載っていたので、見逃していたけど観ました。あたりまえだけど、おっさんの加齢臭が漂ってきそうなカサヴェテスとピーター・フォークの共演は最高です。

⑩フィリップ・カウフマンが『存在の耐えられない軽さ』の次くらいに撮った映画だけど、見逃してました。でも、個人的には『存在の~』より好きです。作家ヘンリー・ミラーのパリ時代の話ですが、アナイス・ニン役の女優が素敵です。

⑪は評判通り良い映画でしたが、こんな暗い映画が出てくるようになったアメリカは大変ですね。

⑫この邦題よりも『ラスティメン』といった方が判る方もいるのでは?ニコラス・レイの映画だけど、熱演型のスーザン・ヘイワードをうまく抑えて演出しているニコラス・レイはさすが。ついでながら、ツタヤの良品発掘コーナーにある『追われる男』もさすがニコラス・レイと言いたくなる傑作でした。

⑬評論家の寺脇研が韓国映画のベスト1に挙げていたんで観ました。監督は元々小説家だそうだけど、アングルのセンスがあって映画らしい映画。よかったです。同じ監督の『オアシス』もよかった。今の韓国は映画界に才能を輩出してますね。

⑭これは、世界初の性転換手術を受けた男性の話だけど、監督は『英国王のスピーチ』の人で、際物でなく格調高い映画でした。奥さん役の女優さんがよいんですよね。

⑮『潜水服は蝶の夢を見る』を撮ったジュリアン・シュナーベル監督が、パレスチナの女の子を描いた映画。パレスチナ関連の映画はハリウッドでは作られにくいし、評価もされにくいらしいんだけど、この映画とか『パラダイス・ナウ』、『オマールの壁』もよい映画で、バランス感覚の問題としても、観るべきでしょう。

⑯ドイツの映画だけど、極右(ネオナチ)のテロで夫と子供を失った女性が復讐を誓うという映画なんだけど、最後が衝撃的。日本もこれから他人事じゃない話でしょうね。監督の乾いた演出もよい。

⑰唯一の邦画。なぜか評価の高い『火口のふたり』の演出には全く感心しなかったけど(でも、役者は素晴らしい!)、プロの映画らしい映画を観たなと思ったのは断然こっち。作品も監督も応援したいですね。

⑱テレ朝のドラマ『やすらぎの郷』の中で、ミッキー・カーティス演じるおじさんが「自分が演じたい」と言っていたのが、このワイラーの映画。観てなかったのですが、これはワイラーの最高傑作ですね。ローレンス・オリヴィエにジェニファー・ジョーンズ。終わり方が大人です。

⑲ドイツの赤軍の実話の映画化だけど、日本の赤軍映画なんて目じゃない話でビックリ。スピルバーグの『ミュンヘン』と合わせて観るべきですね。

⑳『ブルーバレンタイン』を撮ったデレク・シアンフランス監督の三作目。この監督もよいですね。女優さんは『リリーのすべて』にも出てた人だけど、この映画の旦那役の俳優と実生活でも結婚したという意味では幸福な映画かも。海外版『喜びも悲しみも幾歳月』みたいな話ではある。

次点はたくさんあるけど、一本だけコメントを残すなら、『コレラの時代の愛』。ノーベル賞作家ガルシア・マルケスの原作だけど、主演女優が良いんですよ。イタリアの女優ジョヴァンナ・メッツォジョルノという人だけど、この人見たさに、『パレルモ・シューティング』(ヴェンダース監督)とか『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』(マルコ・ベロッキオ監督)も観てしまいました。

あと、まとめて見直した映画監督だと、ヴィスコンティ、アンゲロプロス、ダグラス・サーク、神代辰巳、フェリーニあたり。みな初期の作品がよいですね(ヴィスコンティは晩年もよいけど)。

アンゲロプロスは見逃していた遺作が酷くてビックリしたけど、あの長回しの緊張感は、最近の『1917』みたいな作品にはないものでした。『こうのとりたちずさんで』の川は、映画のために川幅を広げたって、ドキュメンタリー映画で語られていたのにはビックリ。長回しは今のテクノロジーの方が長く回せるけど、なんだか緊張感が薄まっていてダメですね。

というわけで、とりとめがないんでこの辺で。しかし、こういう記事は書いてて楽しいです。










































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2 コメント

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Unknown (蝙蝠お高)
2021-01-04 07:38:44
あけましておめでとうございます。
圧巻ですな!
10位までだと⑥しか見ていない身としては、出来るコメントはただ一言
「今からTSUTAYA行ってきます!」
すいません、お邪魔しました。
でも、今年も宜しくm(_ _)m
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コメントありがとうございます。 (切られお富)
2021-01-04 23:49:38
蝙蝠お高さま

あけましておめでとうございます。
ご無事なようで何よりです。

後で思ったのですが、「パラサイト」、「ROMA」
、「アイリッシュマン」が20位以内に抜けていたなあ~と気づきました。あと、ネットフリックスでは、「ハリウッド」っていうオリジナルドラマにも一時はまりました。ああいうのを日本でも作るとよいんですけどね~。

ということで、今年も、よろしくお願いします。
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