８割が就職の「勝ち組」 新入社員の意識調査

多くの社会人をむっとさせたこのアンケート結果。「新入社員」たちを批判する記事を書いている人もたくさんいるのだけど、あえて弁護してあげましょうか、悪いのは「新入社員」たちではないと。

そもそも、この愚劣で深みのないアンケート自体、まともな大人の作ったものだという視点が必要だと思う。財団法人社会経済生産性本部というところがやった調査だということだから、愚劣なのはこの団体でしょう。単なるマスコミ受けを狙い、「勝ち組／負け組」というキーワードを使って、若者たちを誘導尋問しただけって印象ですね、わたしは。実際、「勝ち組」なんていう余裕をかましてくれている新人なんてどこへ行っても会ったことないですしね。

「パートや派遣などが増える厳しい環境の下、正社員という安定した身分を獲得したとの思いからではないか」という分析も所詮はこのなんとか本部が勝手にいってるだけで、あえていうなら、この団体の幹部の就職観がこういうレベルのものだってことを示してるんじゃないだろうか？（財団法人に就職したから勝ち組だってこと？）

それに、「デートの時、残業を命じられたら」という設問もなんだか馬鹿げてる。（結果は、仕事を選ぶ人が７９％、デート派は２１％。仕事派は女性が８２％で、男性７６％）残業にもいろいろあるし、プライベートな用事だっていろいろある。むしろ、「子供が熱をだした場合」とか、「親の介護をしなければならなくなった場合」といった設問にした方が、アンケートとしての社会性があるんじゃないかと思う。

いずれにせよ、若者を責めるのは簡単だけど、そんなことで溜飲を下げるのでなく、背後にいるつまんない大人を撃つのが先輩社会人の務めだと思いませんか？

８割が就職の「勝ち組」　新入社員の意識調査