八島ビジターセンター

長野県のほぼ中央、霧ヶ峰高原の八島湿原を中心とした地域の最新情報をビジターセンターからお届けします

2010年08月22日 | Weblog

普段は湿原内の木道しか歩きませんが、今日はビーナスラインを歩いてみました。ビーナスラインて・・・車道じゃん。車道つまんないじゃん。と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そうでもないのです。八島湿原駐車場から右へ、霧ヶ峰インターチェンジへ向かう途中、正面に車山が見られるポイントがあります。なかなか眺めがよいのです。車ですーっと通り抜けてももちろんよいですが、歩いてみるとまた違ったよさに気づくことができます。

ビーナスライン沿いは湿原の木道沿いとちょっと違います。車がたくさん通るから暖かいのでしょうか。湿原よりもお花が早く咲く気がします。エゾノコリンゴやズミは湿原内より早いですね。それにビーナスライン沿いはいわゆる外来種と呼ばれる植物も多いです。やはり街や遠くの地域から車がたくさん来るからでしょうか。道路工事の際に持ち込まれた土の中から発芽したものもあるでしょう。でも外来種にまじって、在来のちょっとめずらしい植物もあったりします。どこから来たの?ほとんど気にも留めなかったビーナスライン沿いですが、今度ゆっくり観察してみたいと思います。

※ビーナスライン沿いは車やバイクが大変よく通ります。スピードもかなり出ていることがしょっちゅうなので、歩く際は十分注意してください。車の多い時間帯の植物観察は特におすすめしません。



道は不思議です。
道、とくに近代の舗装道路は一度造られると、最初からその場所に存在していたかのような顔をします。
ビーナスラインも都会の道も田舎の道もそうです。中には昔から人が利用してきた道が舗装されて大きな道になったものもありますが、昔はなかったところにいきなり新しい道が作られることもあります。
その道が便利であればあるほど、その道がなかった時代のことはみんな忘れてしまいます。

みなさんの足元の道は、以前どんな姿をしていたのでしょうか。



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■開館 午前9:30~午後4:30
■TEL 0266-52-7000 (お気軽にお問い合わせください)
■AED設置施設
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それぞれの持っている時間

2010年08月21日 | Weblog

午後6時すぎの八島の空です。日が暮れるのが早くなってきました。

最近は夜が良い感じです。やはり空気がきれいなのでしょうか。霧がかかっていることもよくありますが、霧ヶ峰一帯は星がきれいに見えます。
夜空の星たちを見ていると、時々自分のちいささに驚いてしまいます(月並みですが本当にそう思います)。
私事ですが、この八島湿原で働くようになって、「時間の流れ(とそれに伴う周囲の変化)」にとても興味を持つようになりました。12000年という年月をかけて作り上げられてきた八島湿原。12000年前には12000年前の八島の姿が、4000年前には4000年前の八島の姿があったわけです。じわりじわりと変わってきました。私は何歳まで生きるかわかりませんが、私が生きている間に見ることのできる八島湿原て、今とほとんど変わりがないでしょう。人間の寿命は長くても100年とちょっと。八島の変化をこれからもずーっと見守っていくことができるほどの時間を、人間はもっていません。ところが星はそうではありません。星の寿命は八島湿原に比べればずっと長いのです。きっと想像がつかないくらい長いのです。星にしてみれば、八島ができ始めてから今までの時間なんて、そんなに長い時間ではないはずです。星によったらあっという間の出来事かもしれません。私の存在なって、あってないようなものかもしれません。そう思ったとき、「ああ、自分小さいなぁ」と思います(月並みですが)。



でも「小さいなぁ」と思っても、多くの人は「星ほどの寿命はいらないな」と思っているのではないでしょうか。
人間に許されている時間で大抵は納得しています。



数日、数ヶ月しか生きれらない虫ははたして不幸でしょうか。




それぞれにそれぞれの持ち時間があって、そして長くても短くてもこの世に存在した。している。これからする。




持ち時間にかかわらず、この世に存在したらみんな同じラインに立っている気がするのですがどうなのでしょうか。






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マツムシソウ

2010年08月20日 | Weblog

マツムシソウが咲きました。
私が八島で確認したマツムシソウはこれが今シーズンはじめて。やっと見つけた一輪のマツムシソウ。この薄い紫は、なんど見ても「美しい」の一言です。


つぼみもありました。これからですね。



ススキもふさふさになってきましたよ。


午後3時すぎの湿原は静かな空気が流れていました。明るい日がさし、虫の音が聞こえ、時折風が草を揺らす音が聞こえる。自分が空気に溶け込んでいる気さえしてきます。木道をがつがつ歩くのをちょっとやめて周りの音を聞いてみる。風のにおいをかいでみる。虫を見るより植物を見るより好きな、私の自然の中のすごし方です。


(マツムシソウとススキと並べて、少しよさそうな文章を書こうとがんばりましたが・・・。またがんばります・・・。)

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わからないけれど

2010年08月19日 | Weblog

これはカメラのせいなのか、夕方だったからか・・・それとも季節のせいなのか・・・。
先ほど写真で確認して、びっくりしてしまいました。世界がオレンジ。季節が進むとこんなにも色が変わるものでしょうか。


これは今日。

これは5月21日。
同じ場所。色はぜんぜん違います。下の写真のほうが木が少なく見えます。葉の茂る前の写真ですから。上の写真は木道が細く見えますね。まわりの草丈が高いのです。春には周りの植物がここまで大きくなるとは思ってもみませんでした。季節が進むと同時に草丈も高くなってきました。でも伸びっぱなしじゃありません。ススキが伸びて、伸びのピークが終わるのはもうすぐでしょうか。雪が積もると、また草原は背の低い姿になります。季節、ぐるぐる、まわっています。


カンタンの声でしょうか。リュリュリュ・・・というきれいな声が聞こえ始めました。


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ガイドウォーク

2010年08月18日 | Weblog
今日も晴天の八島湿原です。今日の風の気持ちよさは格別でした。日の照っている場所は暑いですが、日陰はとっても涼しい風が吹いていました。ビジターセンター内も涼しい風が通り抜けて・・・◎。日陰の出来るビジターセンター横のベンチは、午後の特等席となっていました。

さて、八島ビジターセンターでは毎日4回ガイドウォークを行っています。今日4組の方が参加してくださいました。

まずは10時~11時のガイドウォーク。

参加してくださったのは写真の方々(いちばん左は増田)。湿原を小さく一周案内させていただきました。広場で景色を見たり、虫の音を聞いたりしながらの一時間。草原や湿原のお話をしながらゆっくり歩きました。参加された方からは「歩くだけじゃわからなかったことに気づくことができた」とか「移り変わっていくことが実感できた」などの感想をいただきました。「楽しかった」というお言葉も。ありがとうございます!


今日2回目(11時30分~12時30分)は写真のみなさま。案内は三井が担当しました。元気なお子さんが虫を見つけるたびに歓声をあげていたという話を聞きました。虫にくわしくないスタッフはその虫について詳しくお話することはできませんでしたが、とてもにぎやかで楽しい一時間となったそうです。ありがとうございました。


参加してくださったみなさま、ありがとうございました!一時間みなさまをご案内して、私たちスタッフも楽しい時間を過ごすことができました。またお会いできることを楽しみにしております。是非また季節をかえてお越しください。お待ちしております。

*八島湿原ガイドウォーク*
湿原をゆっくり一時間ごあんないします。
10:00~11:00 11:30~12:30 13:00~14:00 14:30~15:30
大人おひとり1000円 小中学生 800円
お問い合わせは0266-52-7000まで



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秋風と晴天

2010年08月17日 | Weblog

お盆休みも終わり、昨日から仕事!という方も多いのではないでしょうか。今日の八島湿原は暑いながらどことなく秋を感じさせる陽気になりました。ススキの穂もだいぶ目立つようになりました。

  
秋を感じさせる花といえば、ワレモコウ。派手さはないですが、渋い色合いがなんとも秋っぽいお花です。ワレモコウは小さな花が集まるようにしてできています。花弁のように見えるのは実は萼(がく)片。ワレモコウには花弁がないのです。ワレモコウの名前の由来はいろいろ説がありますが、一説にはワレモコウが「俺も紅だぜ(吾も紅)」と主張したからだそう。確かに赤いですね。でも最初から赤いとは限らないようです。写真のワレモコウの花は上の方は赤いですが、下の方は白いです。たぶん白から赤に変わるのでしょう。全部白のワレモコウは八島では見たことがないので。白と紅。この時期のワレモコウは紅白で縁起がよいですね。
縁起のよさそうなワレモコウのお話でした。



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この季節がやってきました

2010年08月15日 | Weblog
        
キアゲハ!の幼虫に出会う季節となってきました。八島以外の場所では目撃していたのですが、八島で会ったのは今シーズン初めてです(既に出会った方も大勢いらっしゃるかもしれませんが、私は初めてでしたので"感動"を載せさせていただきます。)。

シシウドやイブキボウフウの花や葉についているのが観察できるシーズンが始まりました。もりもり食事をしている姿を見ていると、あっという間に時間が経ってしまいます。



うまい具合に葉に収まったキアゲハたち。何匹いるかわかりますか?


左上にはハバチの幼虫っぽいのもいますね。


子供たちは今が成長期。もりもり食べて大きくなっています。

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今日も

2010年08月14日 | Weblog
       
濃霧です。
朝9時の湿度は90%以上。ビジターセンター内のパンフレットは嫌でもくにゃくにゃになってきてしまいます。

写真は霧の日に目立つもの、クモの巣。梅雨の時期を彷彿とさせます。黒い部分は屋根。灰色は空。

      
霧の中でもやっていますよ!ガイドウォーク。霧の日の良いところは"見えすぎない"ところ。見えすぎないので湿原が広く感じます。見えない部分を知ろうとする力が働くから。目以外の感覚を晴れの日以上に使うから、湿原を広く深く感じます。
私たちはそのお手伝いができればいいなぁと思っています。

*八島湿原ガイドウォーク*
一日4回 10:00~11:00 11:30~12:30 13:00~14:00 14:30~15:30
お申し込み、お問い合わせは0266-52-7000まで



現在も雨が降っています。21時すぎの八島湿原はだいぶ涼しいです。半そでは無理。先月の3連休の暑さが嘘のようです。このまま秋に突入でしょうか。半そでで過ごしたのはほんの一週間か二週間くらいです。さすが、高原。



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面白い模様、面白い形

2010年08月13日 | Weblog
自然は面白い形を作り出します。

今日はそんな形や模様をほんの少しご紹介。

八島ビジターセンター ますだの目線でお届けします。 いつものことながら。


   
何度見ても「花火」という表現がふさわしいのがこの植物。シシウドです。いままでのブログではお花の咲いている時期のシシウドを紹介しましたが、これはお花が終わって実が熟しているところ。同じようなパターンの繰り返し。このデザインのてぬぐいなんかがあったら良いよなぁ・・・といつも思います。


   
ぎっちり・・・ヤナギラン。
ピンク色がとてもきれいなヤナギラン。ヤナギランというと、スラリと背の高いイメージがありますが、このヤナギランはスラリとしていません。ぎっちり密に花がついています。実はこのヤナギラン、スラリと伸びてくれることを期待していつも観察していました。しかし期待に反してぜんぜん伸びてくれませんでした。「伸びないのかい!」ぎっちりつまっている様子が滑稽で、つい「くすっ」っと笑ってしまいます。



   
これは何?
どんぐりの赤ちゃん(ミズナラ)↓
     
のように見えるけど、違います。

これはナンブアザミのいわば「つぼみ」
   
葉っぱの付け根についた赤ちゃんはにょきにょき伸びて花咲かせるようです。
ふむ。赤ちゃんアザミはまだ幼い感じがしますね。大人は攻撃的。 花は目立ちますが、「つぼみ」が葉の付け根にあるなんて知りませんでした。じっくり観察してみるものですね。



以上の形は私が「おもしろい!」って思ったものです。みなさんも自由な視点で「おもしろい形」を見つけてください。なかにはくすっと笑ってしまうものもあるかも。すこぅし幸せな気分になるかもしれませんよ。




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濃霧

2010年08月12日 | Weblog
        
本日はもったりとした濃霧でした。ビジターセンター内まで霧に浸食されるかと思うくらい。こんな日はとても静か。近くで人がしゃべっていてもすこし遠くから聞こえる感じ。来訪者の方が「ここ、なんか精霊とかでてきそう」とおっしゃっていましたが、まったくその通りの幻想的な雰囲気がただよう八島湿原でした。


          
最近のイチオシはトモエソウ。そんなに数はないですが、湿原の中とか木道の脇に咲いています。去年はまったく気づきませんでした。去年が咲いてなかっただけか、今年になって私の経験値が上がってお花を見つけるのが早くなったのか・・・。まあとにかく、黄色の比較的大きな花を咲かせています。鮮やかな緑の葉と黄色、それに少し入った赤が素敵。

名前の「トモエ」は花が"巴"のような形をしていることからつけられたそうです。なんだか一定方向に回りそうな形ですね。・・・プロペラのような・・・。スクリュー?扇風機?静岡県民(茶畑)や長野県民(りんご畑)が見たら防霜ファンというかもしれない形をしています。

回りませんけど。


          
*昨日の写真と比べてみよう*
昨日菌で死んだバッタです。一日経って、こうなりました。だんだん元の形がわからなくなってきました。体のパーツが一個一個外れていくようです。草にくっついた置物のように動かない死体。でも死体の内部では菌が活発に動いていることでしょう。



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