八島ビジターセンター

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アキノキリンソウ

2007年08月23日 | Weblog
八月下旬。皆さんはどんなイメージをお持ちですか。

僕は埼玉で生まれ育ちましたが、幼い頃にも何度か霧ケ峰を訪れており、それは決まって夏休みの家族旅行でした。そして、夏休みである限り、八月の終わりとは夏そのものでした。ちょうど今の季節、霧が峰でアキノキリンソウを見てこのように思ったのを覚えています。

「なんで夏休みに”秋”のキリンソウが咲いているのだろう。」

僕にとって、アキノキリンソウはあくまでも夏の花、名前に「秋」がついているのがどうしても不思議だったのです。

その謎は、この仕事の中で季節変化をじっくりと体で感じることで容易に解けました。今、霧が峰は秋そのものではないですか。まだ、咲いているだろうと思っていたお花が次々と実になっていき、ススキの穂が湿原に揺れています。紅葉、きのこ、木の実などのように秋を象徴するものからではなく、春から夏、そして夏から秋への連続的な流れの中で、紛れもない秋を感じられるのです。

仕事や学校でのスケジュールから知る「季節」は、必ずしも自然の季節変化と一致している訳ではないようです。例えば春の代名詞、福寿草は早いところでは2月に咲き出します。まだまだ寒い季節ですが、植物は早くも春を感じ取っているのです。こうした感覚は自然がもっともっと身近にあった昔の人々はより敏感に感じ取っていたことでしょう。生活の中に根付いた季節感、それが植物の名前として残されているというのもいいですね。

アキノキリンソウ。湿原の周りに続々と咲き出しています。


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