昨日までの3連休、富士宮市、富士市、静岡市とその周辺を回ってきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hikari_pink.gif)
あいにくの薄曇りでしたが、富士山を頂上まで見たのは数十年ぶりだったでしょうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/96/158f7b201c4bc7b08da35d6c5b9fcead.jpg)
(東名高速・富士川SAから望む)
やっぱり「富士は日本一」の山ですよね。
偉大で、荘厳で、なぜか日本人に生まれたことを誇らしく思えるような、圧倒的な存在感があります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hikari_pink.gif)
経路でいろいろ珍しい物、面白い物を見てきましたが、一番感動したのは、静岡市丸子(まりこ)の体験工房「駿府匠宿」で見た針金細工でしょうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hikari_pink.gif)
体験工房「駿府匠宿」は、静岡県内の伝統工芸の「漆器」「指物」「和染め」「木製履物」「陶芸」「竹千筋細工」などを体験できます。
私もちょっと挑戦してみたのが、これ。↓
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/02/b098c567b9a492ddc13d55f19cd4c80d.jpg)
竹千筋細工の小物入れです。
と言っても、細工が難しい部品はあらかじめ作られていて、自分たちがするのは、細い竹ひごを小さな穴に差し込んでいく程度――とタカをくくっていたら、これが案外大変なんですよねえ、とくに老眼の身には。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
でもまあ、見た目はまずまずの出来上がりでしょ?![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/abanzai.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hikari_pink.gif)
そんな「駿府匠宿」内の一角で実演を見て感動したのが、これです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/c3/aebded5e1d75f12b689cca76983df6e0.jpg)
針金細工の自転車です。
高さ10cm、横20cmほどの大きさです。
ほかに、三輪車や一輪車、もっと複雑なオートバイもありました。
「なんだ、インテリア小物の店で時々見掛けるじゃないか」とお思いでしょうね。
そう思いました、最初は私も。
でもね、
この自転車、
実は、
たった1本の針金だけで作られているんですよ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hikari_pink.gif)
ハンダなどの接着は1カ所もありません。
1本の針金を「一筆書き」のようにただ折り曲げるだけで作られているんです。
これほど凝った針金細工って、すごくありません?
「どこから始めて、どこで終わっているか、分かります?」と聞かれ、ひっくり返し、裏返して探しましたが、発見できないままギブアップしました。
始点・終点を教えてもらった時は、思わず「おお~っ!!」と声を上げてしまいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hikari_pink.gif)
作っていたのは、たぶん50代のオジサン。
でも、本業じゃないんだそうです。
本職はコックさん。
「リストラでクビになっちゃったけど、昔、ホテルのレストランで働いててね」
「その時、親方のシェフが外国での修業時代、大道商人が針金細工を作っているのを見たとかで、帰国してから自分も趣味で作っていたのを、今度は僕が見て興味を持っちゃってね」
「見よう見真似で作り始めてから、うーん、もう25年くらいになるかなあ」
「自分なりにいろいろ工夫して作ってると、こんな物でも奥行きが深いって言うか、面白くてねえ」
「針金細工をしてる人は多いけど、一筆書き風に1本の針金で作っているのは、日本では僕だけみたいだね、今は」
「一時はこれだけでメシを食おうとしたけど、それは無理だったね。手間が掛かりすぎて割りに合わないもん」
自転車なら1個作り上げるのに40分。それを800円で売っていました。
数倍面倒そうなオートバイは1500円。2時間掛かるそうです。
時給換算なら750~800円。
たしかに、それでは暮らしが成り立ちそうにありません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hikari_pink.gif)
「でも、この自転車で800円って、安すぎません? 倍にしても売れますよ、絶対に」
と水を向けると、
「いやいや、こういう自転車の良さを分かってもらいたいのが一番だから、値段は上げたくないのさ」
「今は別の店でコックをしながら、休日に趣味の延長として、こうして場所を借りて作っているだけで楽しいんだから、それで充分々々。アハハハハ」
30分近く話を伺っていて、とても楽しいひとときでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hikari_pink.gif)
こういうオジサンのような、暖かくて優しい心を持った人間になりたい、と思っても、それは、見よう見真似で自分もこの自転車作りに挑戦することと同じように、難しい、と言うより、不可能なんでしょうかね。
「駿府匠宿」のHPはこちらです。
(ちなみに、このオジサンは「駿府匠宿」に毎週必ず出店しているわけではなさそうなので、念のため)
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あいにくの薄曇りでしたが、富士山を頂上まで見たのは数十年ぶりだったでしょうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/96/158f7b201c4bc7b08da35d6c5b9fcead.jpg)
(東名高速・富士川SAから望む)
やっぱり「富士は日本一」の山ですよね。
偉大で、荘厳で、なぜか日本人に生まれたことを誇らしく思えるような、圧倒的な存在感があります。
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経路でいろいろ珍しい物、面白い物を見てきましたが、一番感動したのは、静岡市丸子(まりこ)の体験工房「駿府匠宿」で見た針金細工でしょうか。
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体験工房「駿府匠宿」は、静岡県内の伝統工芸の「漆器」「指物」「和染め」「木製履物」「陶芸」「竹千筋細工」などを体験できます。
私もちょっと挑戦してみたのが、これ。↓
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/02/b098c567b9a492ddc13d55f19cd4c80d.jpg)
竹千筋細工の小物入れです。
と言っても、細工が難しい部品はあらかじめ作られていて、自分たちがするのは、細い竹ひごを小さな穴に差し込んでいく程度――とタカをくくっていたら、これが案外大変なんですよねえ、とくに老眼の身には。
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でもまあ、見た目はまずまずの出来上がりでしょ?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/abanzai.gif)
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そんな「駿府匠宿」内の一角で実演を見て感動したのが、これです。
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針金細工の自転車です。
高さ10cm、横20cmほどの大きさです。
ほかに、三輪車や一輪車、もっと複雑なオートバイもありました。
「なんだ、インテリア小物の店で時々見掛けるじゃないか」とお思いでしょうね。
そう思いました、最初は私も。
でもね、
この自転車、
実は、
たった1本の針金だけで作られているんですよ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hikari_pink.gif)
ハンダなどの接着は1カ所もありません。
1本の針金を「一筆書き」のようにただ折り曲げるだけで作られているんです。
これほど凝った針金細工って、すごくありません?
「どこから始めて、どこで終わっているか、分かります?」と聞かれ、ひっくり返し、裏返して探しましたが、発見できないままギブアップしました。
始点・終点を教えてもらった時は、思わず「おお~っ!!」と声を上げてしまいました。
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作っていたのは、たぶん50代のオジサン。
でも、本業じゃないんだそうです。
本職はコックさん。
「リストラでクビになっちゃったけど、昔、ホテルのレストランで働いててね」
「その時、親方のシェフが外国での修業時代、大道商人が針金細工を作っているのを見たとかで、帰国してから自分も趣味で作っていたのを、今度は僕が見て興味を持っちゃってね」
「見よう見真似で作り始めてから、うーん、もう25年くらいになるかなあ」
「自分なりにいろいろ工夫して作ってると、こんな物でも奥行きが深いって言うか、面白くてねえ」
「針金細工をしてる人は多いけど、一筆書き風に1本の針金で作っているのは、日本では僕だけみたいだね、今は」
「一時はこれだけでメシを食おうとしたけど、それは無理だったね。手間が掛かりすぎて割りに合わないもん」
自転車なら1個作り上げるのに40分。それを800円で売っていました。
数倍面倒そうなオートバイは1500円。2時間掛かるそうです。
時給換算なら750~800円。
たしかに、それでは暮らしが成り立ちそうにありません。
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「でも、この自転車で800円って、安すぎません? 倍にしても売れますよ、絶対に」
と水を向けると、
「いやいや、こういう自転車の良さを分かってもらいたいのが一番だから、値段は上げたくないのさ」
「今は別の店でコックをしながら、休日に趣味の延長として、こうして場所を借りて作っているだけで楽しいんだから、それで充分々々。アハハハハ」
30分近く話を伺っていて、とても楽しいひとときでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hikari_pink.gif)
こういうオジサンのような、暖かくて優しい心を持った人間になりたい、と思っても、それは、見よう見真似で自分もこの自転車作りに挑戦することと同じように、難しい、と言うより、不可能なんでしょうかね。
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(ちなみに、このオジサンは「駿府匠宿」に毎週必ず出店しているわけではなさそうなので、念のため)
何故か最初から思い込んでみてました
手先がとっても器用じゃなきゃ、あと、根気が強くなきゃ作れませんよね
それと、私が感動したのは、これを「一筆書き」で完成させた創造力です。
見本や手本がなくて始めたとすれば、ずいぶん長い間、試行錯誤を繰り返したと思うんですよ。
その情熱に、何より感服し、感動しています。
旅の楽しさの重要な要素ですね。
はりがね細工の技の素晴らしさ、匠の世界ですね。
思いがけない人から、
思いがけない人生の生き方を教えられたりする
……それが旅の、一番の楽しさかも知れませんね。