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映画「私が愛した大統領」


2012 英 94分 DVDにて鑑賞 原題 HYDE PARK ON HUDSON
監督 ロジャー・ミッシェル 出演 ビル・マーレー ローラ・リニー オリヴィア・ウィリアムズ オリヴィア・コールマン

第32代米国大統領フランクリン・デラノ・ルーズベルト(1933~1945在任)=FDR の従妹デイジーが99歳で死んだ後出て来た日記をもとに、かれの隠れた顔を物語る喜劇的伝記映画。

監督も制作も英国なので、英国人から見た、米英の様々な違いがもたらす齟齬がなかなか愉快。

映画は、デイジー(ローラ・リニー)が大統領の話相手にと招かれて邸に参上するところから始まるが、「レベッカ」とか「ジェーン・エア」などの、おどおどした小娘を思わせる風情、実は40代だったと思うが、シンデレラ願望は何歳になってもあるだろう、とりわけこの当時の女性なら無理もないか……とも思うが、見ている側には話の行末が一目で見えるのに、歩みが緩慢で、数分ですっかり退屈した。ただし30年代の建物や生活の細部、切手収集などに興味を持つ人には楽しいかも。

やはり、レズビアンの定評のある妻のエレノア(オリヴィア・ウィリアムズ)の闊達な振舞いとか、ドイツとの戦争に突入する前に訪米する英国王夫妻、特に父子のような温かい関係になる大統領とジョージ6世の会話の部分は面白い。ホットドッグのもてなしに唖然となったり、インディアンの踊りにへきえきする挿話があるが、世界中に植民地を持つ大英帝国の国王がそんな初歩的なマナー違反をするはずはない、これは南アフリカ出身で外交官の親と各地を渡り歩いた監督の偏見か、あるいは人種差別主義者として名高いFDRの逸話であろう。
FDRを演じたビル・マーレーは、大統領が実は母親の支配下にあり、秘書や従妹、女性たちに依存しつつ利用するという役柄にはふさわしい俳優だと思う。「ブロークン・フラワーズ」「恋はデジャブ」など……。
英王妃役のオリヴィア・コールマンは「クイーン」では首相夫人だったが、困惑・当惑の場面を表情で好演している。

評価は5点中3点

→「英国王のスピーチ」11-5-4
→「レベッカ」  12-4-21
→「クイーン」  7-5-24
→「最初の10分」 11-2-13
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