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越境者

1950 イタリア  102分 <IL CAMMINO DEL SPERANZA>監督 ピエトロ・ジェルミ 音楽 カルロ・ルスティケリ 出演 ラフ・ヴァローネ エレナ・ヴァルツィ サーロ・ウルツィ DVD鑑賞

閉山したシチリアの硫黄鉱山の鉱夫たちが全財産を売り払い、家長と共に働き口のあるフランスを目指す。シチリアのメッシーナ港から、ナポリ・ローマとイタリアを縦断し、吹雪のアルプスを越えてフランス国境に至る。ローマでは道に迷ったり逮捕されたり、雇われた農場ではスト破りと間違われたり、波乱つづきのロードムービーである。戦後イタリアの社会がまざまざと描かれている。ことあるごと、子供から年寄りまで歌や踊りに興じ、カップルの芽生えにはあたたかいまなざしを注ぐ、新婚のふたりが逢引するのを目ざとく見つけて、セレナーデよろしくギターの伴奏で愛の歌を歌う。かれらの、人生の苦難に負けない楽観性と人間味には見ていて勇気を与えられる。

3人の子持ちのやもめのラフ・ヴァローネ。この俳優は60年前、私が十代の頃「フェードラ(死んでもいい)」で見て印象的だった)詐欺師サーロ・ウルツィは「鉄道員」でジェルミの相棒をつとめている。

ピエトロ・ジェルミの才能を最も感じる作品だ。

「しゃれこうべと大砲」は、テーマ曲として全編に流れている。実を云うとこれが聞きたくてこの映画を見たようなもの。60年代に日本で流行した、日本語の歌詞は哀調を帯びていたが、ここでは黒人霊歌とか労働歌のように力強い明るい響き。

「しゃれこうべと大砲」8-1-26「死んでもいい」7-8-19

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