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映画「6才のボクが、おとなになるまで」


2014 米 165分 松江SATY東宝にて 5月17日鑑賞 原題≪Boyhood≫ 
監督 リチャード・リンクレイター
出演 パトリシア・アークエット イーサン・ホーク エラー・コルトレーン ローレライ・リンクレイター

原題は「少年時代」
ある男の子の6歳から18歳までを、毎年夏休みの数日だけ撮影した珍しい映画である。
彼メイソンの姉と母、父、もずっと登場する。

性懲りもなく結婚を繰り返す(男を見る目が無い?)上昇志向の強い母。
マイペースながら、子供を可愛がる父。
銃と聖書をプレゼントにくれる祖父母。
「ボーイズ・ライフ」を思い出させるアル中の義父。

それらすべてをくぐり抜けて、テキサス大学に入学した主人公は
ルームメイトに恵まれ、女性の友だちもできて、
波乱万丈の少年時代は終ろうとしている。

テキサスの景勝地は映像的に素晴らしいし、そこに集う同年輩が4人、メイソンの新しい家族のようだ。
こんな環境で無事に育つか、気をもまされたが、ラストでは希望を感じさせる後味の良さ。

感想
日本の18歳はまだ幼稚であるが、アメリカでは18歳が「大人」とみなされるようだ。
(16歳で運転もできるし)また、母親の例で分かるが、失敗しても
やり直しがきく。大学に行けば女性にも若者にも可能性のひろがる国だと思う。

P.アークエットが2015年2月アカデミー助演女優賞を受けたとき述べたように、
女性差別は残るとしても。(年に数日だけの撮影の結果、低賃金になったとも思うが)

この邦題はセンスが無く、ポスターの子供の顔は不安そうで、あたかも
この子が生まれつきの障害者か、難病にかかり、やっと大人になる話なのかと思い、
恐れをなした。母親の再婚etcは監監督自身の経験も入っているらしいが、
それをまとめて「少年時代」とするならば客観性とユーモアがある。

イーサン・ホークとリンクレーター監督のコンビでは「ニュートン・ボーイズ」1998「恋人までの距離」1995を見ている。
年代をずらして取るという手法はそこでも行われているそうだが後は見ていない。

姉のサマンサは監督の娘で数か月の差なのに、年上で優秀という設定なので弟ほど母に構われず気の毒。
弟も、誕生日を母親に忘れられると言うシーンがあり、自己中心な母親の印象が強い。
夫の選び方も、生活や子供のためより、性的魅力で選ぶので、純粋と言えば純粋だが、猪突猛進で欲張りな女性だ。

イーサン・ホーク
 →「痛いほど君が好きなのに」10-6-20

リンクレイターとイーサン
 →「ニュートン・ボーイズ」12-9-2







コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (セレンディピティ)
2015-05-23 18:27:53
こんにちは。
TB、あとがとうございました。
最近になって、なぜかgooブログへのTBができなくなってしまったので
コメントのみで失礼します。

これは実験的で、チャレンジ精神にあふれた作品でしたね。
恋人までの距離の、ビフォア3部作といい
この監督さんはこういう定点観測的な作品がお好みなのでしょうか。^^

登場人物たちのキャラクターが、12年間ぶれないのもすごくて
最後にはほんとうの家族のように見えてきました。
 
 
 
Unknown (Bianca)
2015-05-23 19:39:57
セレンディピティ様

コメント有難うございます。TB出来なくなったのは残念!

監督の実験精神はすごいですね。自分も映画を作るイーサン・ホークは納得しているでしょうが、授賞式で報酬が少ないと不平をこぼしていたパトリシア・アークエット。(このあたり映画の人物そのままでしたね。)

本文では悪口を言ったけれど、実は共感できるところもたくさんありました。
 
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