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遠来の客ー山陰ひとり旅のアジア人女性

2日、松江城の前庭をウォーキング中に電話が鳴り、愛知に住む義兄がやってくると。かれと3人で、海鮮料理の店に行った。

「遠来の客」は、でも、彼のことではない。その時偶然あった別の人である。

正月で空いている店も少ないせいか、テーブルは満員で、仕方なくカウンター席に座った。義兄を挟んで左右にKとわたし、わたしは入口に近い。そのうちにどやどやと、数人が入ってきて、私の隣に会釈しながらひとりの女性が座った。肘を突き合わせているのに、まったく無言でいるのもどうかと思い、「よく来られるんですか?」と声をかけた。松江には外で酒をたしなむ女性も多く、酒が入ると日頃のつつましさを捨てて陽気にしゃべる傾向がある。彼女は多分、グループで来たのだろう。ところが予想に反し、彼女はひとりで、この店は初めてだという。それだけでも意外なのに、ことばにはかすかななまりがあり「外国の方?」と聞くと東南アジアのある国の名をあげる。観光で国から直接来たのかと思いきや、その予想も外れ、おとといまで東京で働いていたと。日本語をどうやって勉強したかを聞くと、故国の大学?で専攻したとのことだ。日本語のすべてを言わない美学、特に俳句にひかれるとか。翌日は鳥取に行くとかで、名所や美味について尋ねていた。

1時間足らずだったが、ほんの挨拶程度のつもりが、興味がわくままに話題は、女性の生涯出産率などにまで及んだ。しかしこの話題はあまり弾まない。変だなと、調べると、日本より出生率が低下しているのは隣国の方であった。

私も30年くらい前、外国を一人旅したときは、機会をとらえ若い人と喋ったりはしたが、こんなカウンターに座る勇気はなかったなあ。

私くらいの年代の日本女性は、一人では喫茶店や映画館に入るのにも躊躇するひともいるが、遠い外国から単身やってきて、働きつつ勉強し、ひとりで旅行もする、こういう元気な女性の実例にふれる時、アジアもその女性たちも、昔ながらの観念ではとらえられず、とっくに変貌を遂げていることを痛感する。ひるがえって女性の地位が114位の日本人。周辺諸国からおいて行かれないようにしなくてはと思うことだった。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (桃すけ)
2019-02-04 19:36:54
私、一人旅も、ひとりランチもできるんですが、映画はひとりで行けないんですよ。今までで2回だけです。どういう理由なのか自分でもわからない。一人旅では、土地の人に交じって、一人温泉も楽しみました。今の感想は元気だったなあということです。
でも一人旅をしていて、その土地のお店に行くなんてできないし、カウンターになんて無理。まあ、お酒飲めないということもありますが。そういうことができたらどんなに楽しかったか。
 
 
 
Unknown (Bianca)
2019-02-05 23:34:18
桃すけ様

あっ、ここにもコメントありがとうございます。
映画に行けないとは、まあ、どうしても見たいようなのが、最近は無いということもあるのじゃないでしょうか? 10代のころは、素晴らしい映画が世の中にあふれており、これを見ないうちは死ねないとばかり、痴漢とか生活指導員とか世の中へのあらゆる恐怖にもめげず、勇気を出して見に行きましたもの。
一人温泉を楽しむ桃すけさんを想像すると、似あいそうですね。昔の日本酒とか入浴剤のポスターにでもなりそうな、色っぽい姿(失礼!)。


今の感想は元気だったなあということ、って私もそうですよ。でもなるたけ残存能力を維持するように日々過ごしたいですね。歯医者にもチャンと通って。

 
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