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オスが存在する理由

 
 「週刊文春」2020年6月25日号の「阿川佐和子のこの人に会いたい」で生物学者・福岡伸一氏との対談が面白い。
 
なぜ人間に男と女がいるのか。
 
そもそも生物が生まれた約38億年前から最初の25億年は女性しかいなかった。もちろん、人間が生まれる遥か前だが、我々の祖先である生物はメスがメスを産む、単為生殖でやって来た。(ミジンコと同じね、と佐和子氏)そう、でも、すべてメスだと、みんなが同じ性質を持っているので、何か一発、病気が来たりすると、全滅してしまう可能性があるわけです。だから、ちょっと変わりものを作っておいた方がいい、と女子は考えてオスを生み出しました。
 
佐和子「私はミジンコを飼っていたことがあるんですが、ミジンコって通常はメスがメスを産むんだけど、水質が悪化したり水量が減ったりすると突然、オスを産む。生まれたオスとメスの間にできた卵は、通常と違ってカプセルに入っているから生き延びられる。それで環境が良くなったときに「いまこそ孵化するときだ」となるから、その種は絶えることなく続くんですよね。ミジンコはたまに出てくるオスのおかげで種が守られる。
 
というわけで、オスというものは、種を守るためにメスが作り出したものだというのだ。いざという時のために出てきたオスの地位が向上してきた。今、世界の大半で男が女より優勢なのは、臨時雇用の用心棒が大事にされるうち、図に乗って支配権を握ったということか。
 
ナワル・サーダーウィに「女が基本だ」という著作があるが、あの題は誇張でも虚勢でもなく「元始、女性は太陽であった」もその通りだったのだ。
 
→「女性の獄中記」17-6-24
→「『青鞜』創刊号」11-9-21
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