映画の感想など・・・基本的にネタばれです。
しづのをだまき
招かれざる客
20年以上前、夫が東京支社に勤務していたころ、午前2時、3時ごろ、
正体もないほど酔っ払った客を連れてアパートに帰って来ることが、
たびたびあった。私はパジャマのまま「こんばんは」と言って、しばらく
話をした後は、夫に任せてまた寝てしまう。
翌朝、いつもの朝ごはんを、客の数だけ余分に作り、送り出す。
この酔客たちは、皆、夫の上司か、年長の同僚である。
どちらかというと非社交的な夫なのにどうしてこんな付き合いになるのか。
たぶん、酒が介在するからであろう。
その中で、好い印象が残っているのは、翌朝早く、
布団をきちんとたたんで、知らぬ間に帰っていたTさんと、
泊まらずにその夜のうちに立ち去ったWさんの場合である。
その逆に、印象が良くないのは、軒先で声高に話して、
あとで大家に「警察を呼ぼうかと思いましたよ」と、わたしたちがいやみを
言われる破目になったHさんとFさんの二人連れと
はじめのうち「奥さん、スミマセン、スミマセン」と平身低頭していたのに
突然、「バカにするな、ワシはX大卒や」と威張り出したNさん。
会社のどれだけ「偉い」人でも、この酔態やステテコ姿を見せられると、
威信はがた落ちである。
とはいえ、いつかYさんが「あの朝ごはんはおいしかった」と言っていた
と伝え聞いた時は、心がなごむ思いだった。私の育った環境では、
酔っ払いというものに出会うことはめったになかったが、
夫と結婚して、酒飲みの生態にだけは詳しくなった。
それが何の役に立つかは分からないが。
文章教室 課題「客」2006年4月5日作成 4月19日返却
【八木先生評】
いまは、こんなことをする若い人はもう少なくなったでしょうね。
どこの家でも、奥さんががまんしてくれません。
~~~~~~~~~~~
まるでそういう我慢をしていた私が「甲斐性なし」みたいだが
その昔、八木先生の家に大勢の酒客が上りこみ、新婚の奥さんは
「冷蔵庫にもたれて寝ていた」こともあったとか。「懐かしいね」が本音かも。
孝行息子になりすましている夫も昔は飲んだくれていた、ひとに歴史あり。
(当時は当時で上司を介抱していたわけか)
正体もないほど酔っ払った客を連れてアパートに帰って来ることが、
たびたびあった。私はパジャマのまま「こんばんは」と言って、しばらく
話をした後は、夫に任せてまた寝てしまう。
翌朝、いつもの朝ごはんを、客の数だけ余分に作り、送り出す。
この酔客たちは、皆、夫の上司か、年長の同僚である。
どちらかというと非社交的な夫なのにどうしてこんな付き合いになるのか。
たぶん、酒が介在するからであろう。
その中で、好い印象が残っているのは、翌朝早く、
布団をきちんとたたんで、知らぬ間に帰っていたTさんと、
泊まらずにその夜のうちに立ち去ったWさんの場合である。
その逆に、印象が良くないのは、軒先で声高に話して、
あとで大家に「警察を呼ぼうかと思いましたよ」と、わたしたちがいやみを
言われる破目になったHさんとFさんの二人連れと
はじめのうち「奥さん、スミマセン、スミマセン」と平身低頭していたのに
突然、「バカにするな、ワシはX大卒や」と威張り出したNさん。
会社のどれだけ「偉い」人でも、この酔態やステテコ姿を見せられると、
威信はがた落ちである。
とはいえ、いつかYさんが「あの朝ごはんはおいしかった」と言っていた
と伝え聞いた時は、心がなごむ思いだった。私の育った環境では、
酔っ払いというものに出会うことはめったになかったが、
夫と結婚して、酒飲みの生態にだけは詳しくなった。
それが何の役に立つかは分からないが。
文章教室 課題「客」2006年4月5日作成 4月19日返却
【八木先生評】
いまは、こんなことをする若い人はもう少なくなったでしょうね。
どこの家でも、奥さんががまんしてくれません。
~~~~~~~~~~~
まるでそういう我慢をしていた私が「甲斐性なし」みたいだが
その昔、八木先生の家に大勢の酒客が上りこみ、新婚の奥さんは
「冷蔵庫にもたれて寝ていた」こともあったとか。「懐かしいね」が本音かも。
孝行息子になりすましている夫も昔は飲んだくれていた、ひとに歴史あり。
(当時は当時で上司を介抱していたわけか)
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )
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最大誘因は、「自慢のわが女房を
見せたい」のだ、とものの本にあったのを
思い出しました~^^
自慢の女房様と僕はこのように
素晴らしい家庭を築いているのだ、
という心根も働くのだそうです。
Biancaさんの記事で彷彿とするのは
向田邦子の「父の詫び状」でしょうか。
スミマセン連発~豹変男はたいていよくある
典型的な小心者パターンですね・・・酔いが
醒めると“ミヤァ~~ン”と鳴いてませんでした?
しかし 「これが一人よがり 蓼食うう虫も好き好きの範疇」となれば微妙に哀れです。
惚気の誤解を招くが、亡夫は職場でも愛妻家伝説で有名でした。その結果として 初めて私を紹介された
同僚、部下、知人の顔には一様に失望の表情が露でした。無邪気な年長の知人は「奥さんの方から惚れたな」と宣いました。いち早く表情の裏側を察知しては落ち込んだものです。できるなら~風吹ジュンや吉永小百合のように~生まれたかったものです~。
亡夫はフックラとした顔立ちで中国人女性の好みなのか
一度紹介した中国人女性から感に堪えない様子で称賛されました。もっと大切にすれば存命であったのかと毎日懺悔しております。
同じようなことが私にもありました、が、そういう男どもは夫に比べアホ揃いであると片づけました。男性とは一般に単純でだまされやすいものです。世の男性たちに美人であると言われる女性も私からは全然良いと思えない。それ以外の女性(つまり自分)を選んだのは、彼が世間一般より優れた美意識と感受性ゆえであると強引に考えます。女性の強さはそこにあるのですから。そうとでも思わなけりゃ誰も子どもなんか生む勇気はわかないでしょう?(私は結局その勇気がなかったのですが)