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ローマの太陽の下で

1948 伊 原題《Sotto il Sole di Roma》DVDにて 監督 レナート・カステラーニ 音楽 ニーノ・ロータ 出演 オスカル・ブランド リリアーナ・マンチーニ

1943年夏ローマ、主人公チノは17歳、家計を支える年齢だが、母親の小言をよそに相変わらず仲間と遊びまわっている。サンジョヴァンニ地区の古代遺跡や湿地帯で、監視人の目を盗んで泳いだり釣りをしたり。遺跡に住んでいる浮浪児と友達になったり。父は夜警で黙々と家族をやしなう。近所のきれいで気が強い娘イリスはうるさいが気になる存在だ。

買ってもらったばかりの靴をなくし、何とか償おうと、かけボクシングに飛込みで参加したり、汽車に乗って闇市へ買出しに行ったり、脱走中の英国人捕虜に食べ物を与えたり、通報でドイツ軍につかまり閉じ込められたり、空爆で助かったり、人妻と情事を持ち、彼女の恋文をネタに脅迫して金を取ろうとしたりのずるさもあるが、一方では外国人の逃亡捕虜への親切など、イタリア人の矛盾に満ちた面が描かれている。男のプライドか女性の前で見えを張り、嘘とも空想ともつかぬ強がりを言うのがおかしい。

戦争という重大事も、そう深刻じゃなくちょっと強い刺激にしか感じてないのか?と見ていると、彼の気軽な人生をおしまいにする重大な事態が生じる。見終って思ったのは、これは「献身」「自己犠牲」の尊さを説いているのか?ということだ。さすがカトリックの国。

「スペイン広場の娘たち」同様、庶民の暮らしが、白黒の画面に生き生きと展開している。脇役の父と隣の娘の存在感が意外にもずっしりと大きい。

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