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アカツメクサ・シロツメクサ

梅雨入り前のいま、至る所に元気よく茂っているのはアカツメクサ(赤詰草)またの名を赤クローバ、ムラサキツメクサともいう。クローバはオランダゲンゲともいい、江戸時代ガラスなどを運ぶ際に乾燥したものをクッション材として箱に詰めたことから詰草の名がついたそうだ。これまでクローバといえば緑の柔らかい草と白い小さい花、プラス制服のスカートやズボンといった、学園風景にかかせない存在。あれとこれが仲間だといわれても、しばらく納得がいかなかった。家の中で本ばかり読んでいる大人しい男の子(白いクローバ)のそばに、突然、背も高く頑丈で活発な女の子(赤いクローバ)が現れ、いとこ同志だと主張しているような感じである。

宮沢賢治の「ポラーノの広場」に出てくる「つめくさ」はシロツメクサだとずっと思っていたけれど、ナデシコ科「つめくさ」がマメ科のクローバとはべつに存在し、葉の形が切った爪に似ているから「爪草」と書く。賢治のつめくさはこちらではないかと思うが、未確認である。

2023-7-11 「ポラーノの広場」先駆形として次のような表現があった(ちくま文庫 賢治全集7)

「その辺のつめくさは全くもう明るくてまるで本当の石英ラムプでできてゐました。処々には背の高い赤いあかりもリンと灯ってゐました。そのあかりの柄の所には緑色のしゃんとした葉もついてゐたのです。それらはたしかに赤つめくさの花でたくさんの白つめくさにまじって皎々と光ってゐます。」

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