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映画「美女と野獣」


2014 仏独 113分 松江SATY東宝にて11月4日鑑賞 監督 クリストフ・ガンズ 
出演 レア・セドゥ ヴァンサン・カッセル 原題≪La Belle et le Bete≫

アメリカ風に省略変形された1991年アニメ版と比べて、古典的で詳細な描写に満足した。豪奢で耽美な神話の世界にどっぷりつかっていると、あれあれ、と言うようなおどけた仕掛けが飛出した挙句、最後はふんわりと平和に着地する。母が子供に読み聞かせると言う形で、アメリカ版ではあえて避けられた、表紙を開きページがめくる方式を採っているところに、原典を持つフランスの本家の矜持を感じる。

野獣とは男性の獣性を意味しているようだ。女性は純真で美しく優しく賢い存在。ベルに代表されるが、姉たちも俗だが悪くはない。また女占師も男をいさめる知恵を持つ。注目すべきは母親が出て来ないこと。ベルは6人兄弟の末っ子で、生まれると同時に母は死ぬので。破産後いなかに移り、庭を耕すベルは、フランス人のもつ農業志向を代表しているようだ。都会と贅沢が好きで手伝おうとしない2人の姉は、「風と共に去りぬ」の妹たちを思い出させる。

お土産に着物やお金でなくバラの花がほしいというベルと、バラを盗まれて激怒する野獣は、バラを愛するという点で最初から一致している。二人の相性はすでにこの時点で分かっているようだ。

ベルがこわもての野獣を恐れず、からかったりするさまは、フランスの女性特有のコケットリーであろうか。
レア・セドゥはどこか異国的な切れ長の目がベルにピッタリ。
ヴァンサン・カッセルは確かに普段から野獣的な雰囲気があるが、皮肉にも野獣時代の方が品がある。

→アニメ映画「美女と野獣」14-10-2

レア・セドゥ
→「ミッドナイト・イン・パリ」14-8-6
→「美しいひと」10-8-1

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (margot2005)
2014-11-26 18:27:22
こんばんは。
もともとフランスものですので、古典的なフランス版は中々良かったです。
贅沢を好み自分の事しか考えない姉たちとベルが対照的で面白い。
映像が素晴らしく美しい実写版は気に入りました。
 
 
 
Unknown (Bianca)
2014-11-27 11:39:50
margot2005様
こんにちわ。お出で頂き有難うございます。
私もこの実写版、とても満足しました。さすが本場だなあと言う感じ。戦闘シーンで色々な細工が出て来たのはどうかと思いますが、日本のアニメ(宮崎駿さん)が大好きなんだそうで。
 
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