加賀女あっちゃんの晴れときどき着物

石川県加賀市で呉服店を営むあっちゃんのブログ。
きもの、お茶、お筝、そして犬も登場。

伝統芸能と父の笑顔

2008年01月26日 | 日々つれづれ
 今朝は着付けの生徒さんへのお着付けから始まりました
 こちらの方は女性カメラマンで、今日は加賀塾のお手伝いに行かれるそうです。加賀塾とは、今日・明日と大聖寺の蘇梁館で行われる加賀の魅力を再発見する講座のこと。ちょっと面白そう

 このカメラマンさんは、笑顔が可愛い、好奇心旺盛かつエネルギッシュな京女で、京都では報道写真でも鍛えた実力派。現在は女性らしいすごく素敵な作品を撮られています。カメラマンさんの後姿を撮るのは緊張するなあ。レフ板なくてすみません。

 冬らしいウールのお着物に、名古屋帯を角出しに結んで。帯締めはお太鼓の中でねじって、表と裏を左右交互に出してみました。



 お昼ごろ、店内から見た外の様子。雪は昨晩少し積もり、今日は少し降ったりやんだりです。ちなみにお向かいのお店は以前はファミリーマートでしたが、今週からヤマザキショップとして再オープンされました
 うちの自動ドアに摺り込んであるのは、家紋をアレンジした枝蔦です



 この雪の中、待ちに待った『ねずみの芸能』を観るため、申し訳ないのですが店を少し早仕舞いさせていただき、両親を乗せて石川県立音楽堂に向かって出発! 本当は母と着物で出かける予定でしたが、着替える時間がなくなり断念しました

 この干支の芸能シリーズは音楽堂の新年恒例行事になっているようです。これは客席から見た緞帳。客席では、長唄の著名なお師匠さんなど、地元芸能関係者をたくさんお見かけしました。
 今回の演目は、一.能楽『三番叟』(野村万作・萬斎出演)
         二.落語『ねずみ穴』(柳家さん喬)
         三.地唄舞『都ねずみ』(京都 宮川町芸妓連中 の三つです。

 ちなみにねずみの語源ですが、穴居のように暗い陰の場所を意味する『根』に棲むことからの云われだそうで、米蔵などにあるねずみの巣穴は黄泉の国や浄土への入り口と言い伝えられているそうです。有名な『おむすびころりん』のお話は、正直爺さんが地下のねずみの国に行って裕福になるお話ですが、このお話を別名『鼠浄土』『団子浄土』とも言うそうです。異界の住人が善人に福をもたらすという変わったストーリーだったのですね
  

 さて、写真でご紹介できないのが残念ですが、内容は素晴らしいものでした

 まず、能楽ですがこの『三番叟』は世阿弥の時代より、狂言役者が演じる決まりになっていたそうです。内容も、ちょっと難しかったけど新年の幕開けにふさわしい格式ある演目でした。何よりも人間国宝の野村万作氏の舞に圧倒されました。御年77歳だそうですが迫力さえ感じる力強い舞。途中で大黒天に扮した萬斎氏がねずみたちを連れて登場します。装束も向かい鶴にかくれ蓑とおめでたい柄で見た目にも楽しかったです

 そして落語は、『夢でよかった』というオチがつくねずみの穴に関する小噺。ただ、あまりに話がお上手なのと、暗い場面展開が続き、どんな終わりになるものやらとハラハラさせられましたが最後はハッピーエンド、よかったよかった
 
 最後の地唄舞は、全員お揃いの、米俵にねずみの柄の黒留袖でのきりりとした舞でした。お座敷舞ということで、お扇子をねずみのしっぽに見立てたり、ねずみの耳をひらひらさせるしぐさや猫いらずにびっくりするしぐさなど、可愛い手振りが飛び出し、観ていて楽しめる舞台でした。皆さん帯は後見結びにしてらっしゃいました。



 終了後、KKRホテル金沢の和食処『白梅亭』にて食事。ここはお座敷ですが椅子で食事ができるので、脚の悪い母のために選んでみました。こちらは前菜、雪だるまが可愛い。そして私の父、久しぶりの外食で嬉しそう。74歳になりますが、以前大病しているのでしぼんでしまっています。ブルーで目隠ししてみましたがなんか違和感(黒で目隠ししたら老けた寺尾聡みたいになってしまった)。
  
 今日、少し早仕舞いまでして父を連れてきたのは、大病したため抵抗力がなく、毎年冬に入院してしまうので元気なうちにいろいろな舞台を見せたかったからです。(おととしは生死の境をさまよい、皆とても心配した)本当は落語と小唄が好きなので、また機会をみて来ようね。 


 さて、ほっておかれることを予感したのか、今日のぺこは久しぶりに寂しい病でした。庭に出ても一緒に遊べとしつこいのでほっておいたら・・・

絶対目を合わせなくなり・・・

母が作る、大好きなスペシャルごはん(ささみのおかずと白飯を混ぜたもの)も、ぜええったい食べない!

かたくなな女、ぺこなのでした
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