加賀女あっちゃんの晴れときどき着物

石川県加賀市で呉服店を営むあっちゃんのブログ。
きもの、お茶、お筝、そして犬も登場。

加賀友禅

2007年10月12日 | きもの
 日に日に秋の深まりを感じます


 今日は、特別に時間を貰って、いきつけの美容室でカットとカラーリングをしてもらいました


 ここの美容室、センスはいいし早いしで、いつも混み合っています。
 そしてもうすぐ、地元の中学校の近くに、自宅兼お店が完成する予定。彼女のお店では着付けのお仕事をさせていただいていますが、独立して数年で、自分のお店を持つなんて、凄すぎる!! 


 戻ってから、秋物のてぬぐいを店に並べました。うさぎやりす、ぶどうなど、色味も秋らしい感じです


 そして、お客様に納品する、加賀友禅の色留袖のチェック。


 改めて見ても、加賀の色はなんともいえずいい色です
 美しく、落ち着いていると言いましょうか。
 北陸の人間は、空がいつも曇っていることが多いため、グレーの混じっている色を好む傾向にあるそうです。たぶん、ほんのわずかなグレーのような落ち着きが、加賀友禅の色彩にはあるのかもしれません。


 加賀友禅には、いろいろな商品アイテムがありますが、長年見ておりますと、作家さんによって、この方は主に留袖、この方は付け下げ、この方は一つ身と、得意分野があるようです
 また、新人さんも続々出てきています。最近は女性の作家さんが増えているように感じます。
 女性は、たおやかな、優しい図柄が多いですね。男性のほうが、古典的な感じや、勢いもボリュームもある、『ワシのこの仕事を見てくれ!!』という図柄が多いように感じます。


 私が最近気になっているのは、新潟の十日町などで作られている加賀友禅に似た商品(いわゆる加賀調と呼ばれ、虫食い跡やぼかしなど、加賀友禅に似せてある、廉価品)に、『加賀友禅』と平気でたとう紙に書いて納品する同業者が意外と多いことです
 
 前述の美容室で着付けを頼まれると、きものをお預かりして下ごしらえするのですが、落款も証紙もないのに、加賀友禅って書いてある場合があるんですよね。

 これは、加賀友禅の作家さんたちに失礼だと思いますし、加賀友禅の色はそんな大量生産品とは違いますし、あくまで加賀調として表示してほしいなあと思います


 仕立てあがった商品は、検針機に通し、たとう紙に入れ、紙の箱に収めて配達します。配達するときも、もちろんそのおうちの方の都合が優先ですが、雨の日は絶対避けますし、婚礼品の場合などは、お日柄なども鑑みて配達します


 これからはきものが似合うシーズン、ぜひご着用の機会を増やしてほしいなと思います