人生の中で何度か、大きな決断を迫られる時がある。
これまでの本当に平凡でちっぽけな自分の人生。
その中で、経験した事など目下の問題の前では、何の役にもたたない。
だのに、自分自身でたったひとつの道を決断しなければならない。
やがて思考は、極限状態に達する…。
大人になれば、そんな事態に否応無しに遭遇する時もある。
そんな時、私も一種のクライマーズ・ハイの状態ではなかっただろうか…。
このドラマを観終わって、ふと、そんな事を感じた。
実際に、衝立岩のロッククライミングに臨んだ、主演の佐藤浩市さんはもちろんの事、
脇を固める俳優陣がふるっていた。
相変わらず上手い岸部一徳や杉浦直樹、そしてスネークマンショーの伊武雅刀は
今回、こんな演技もできるのだよ、と言わんばかりに、
さらりとごく自然な役作りをしていて、良い意味で「裏切られた」感があり苦笑してしまった。
アンザイレン[Anseilen(独)]
困難な岩壁や氷壁を登る際に互いをザイルで結び合うこと。
それは互いの身の安全を確保することが目的であると同時に、
危険を共に負担し合うということでもある。
目に見えない“ザイル”で結ばれているのは、このドラマの場合は
新聞社や新聞販売局、そして読者、記事対象者やその家族へと、ザイルは結ばれていく。
そう。誰もが、見えないザイルで結ばれているのだ。
恋人や家族、友人や仲間…。
人は、そうしてクライマーズ・ハイを乗り越え、人生という山を登っていくのだろうか…。
(ん?恰好つけすぎてしまったかな?照れ…^-^:)