スクリーンに恋をして&ライヴレポ

エレカシファンです。しばらく更新できず、すみません。

男の美学 女の美学

2011年04月27日 00時27分00秒 | Weblog


「あと5分しか 生きられぬのなら

今のこのオレを こえられるというの」


(※曲名「風」より エレファントカシマシ 宮本浩次:作詞)




たぶん…その命が尽きるギリギリの瞬間まで、もがき 苦しみ、

高みを目指しながら、しかし最後まで己に満足する事なく、

男の人は逝くのだろう…。



果てる事がない、高き高き理想を抱いたまま…。


…それは極端な幻想だろうか?

けれども、そんなふうに思い込ませてしまうヒトだ…。

エレカシの宮本さんは。





さて、それが死に際の男の美学だとすれば

現代の女の美学を貫いた女性がいると思える。


キャンディーズのスーちゃんこと、田中好子さんではないだろうか。

国民的アイドルから、素晴らしい女優さんに転身された方。

私の中では、優しく強いお母さん役という印象的だった。

病をずっとおおやけにせず、常に明るくふるまっていたという。



告別式の様子をTVで拝見し、御本人の肉声が流れた時は

本当に衝撃を受けた。



「もっと女優として映画に出たかった…」と

病床の中での力ない声ながら、

その言葉は率直で、

はっきりとした意思を感じられた。



被災された方達や、かつての仲間までを思いやり、

静かなあきらめと、決意に満ちたその肉声は

聴く人の胸を打ち、ゆさぶり、深く心に刻まれた。


まぎれもなく彼女がこの世に生きた証を、強烈に残したと思う。



死の間際まで女優である事を望み続けた田中好子さんは

この肉声を吹き込み、式で映画のように公開される事によって

最後は、さらに高みへと昇っていったのだ、と確信する。



自分だったら、家族葬にしてほしいし、

あんなふうに肉声は恥ずかしくて

とても残せないと思うけれど


できうるならば、精神だけでもこうありたいものだ、と

思わせてくれた。


今後、もしかしたら、

こういう形のお別れも増えるのかもしれない…。



女の美学を身を持って教えてくれた田中好子さん。



ありがとうございます。

ご冥福をお祈りいたします。


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