『哭声』コクソン THE WAILING
『哭声』コクソン THE WAILING
兼ねてから見たかった『哭声』コクソン。
大阪では上映されたが、近くの映画館では上映はされず。
今回WOWOWで放映され、見ることができたのは、喜ばしい。
『哭声』コクソンのキャッチコピーは「疑え。惑わされるな。」
この映画を見ていると、まさに、「疑え。惑わされるな。」なのである。
疑わしいのは
日本人で余所者の山の中の男(國村隼)
事件の目撃者である女
祈祷師
+
さらに、女の子の父親でもある警察官の周りで、事件は展開する
毒キノコ
噂
最後の結論はなく、作者は、観客にそれぞれの答えを投げかける。
民俗学的にもう少し引き出しが多いかと期待をしていたが、民族学的テーマは、山の民、余所者、境界、鳥、シャーマンなど、割合に絞られて使われていたように感じた。
韓国では大ヒットを遂げた『哭声』コクソンだが、日本人から見ると、色々と考えさせる部分が多い。
このように日本人を余所者(実は他にも意味深そうだ)として描いたのは、私にとっては興味深かったが、冷静さを保って見られない方もいらっしゃるのではないかと案じた。
WOWOWの解説者は、國村隼さんがよくぞこの映画に出演なさったとおっしゃっていたのが、印象的だ。
WOWOWの解説者お二人は、今回この映画において、ほとんど意見や感想を述べられてない。
何しろ、結末はないのだから。
怖い映画だと予想をしていたのだが、実は2/3あたりまではことごとく笑いの場面が盛り込まれる。
日本人の笑いとはまた違ったような、笑い。これ実は、面白いじゃん、みたいな。
決して平たくはないそういった実は、面白いじゃんみたいな笑いは、まと表現によって、かなり多く盛り込まれている。
監督や編集者は、意図的に、甲乙、甲乙、甲乙…といった笑いの要素を編み上げる。
だが、これにおいて、他の感想では描かれてない。不思議だ。
概念で見てはいけない。
キャッチコピーの「疑え。惑わされるな。」であり、怖いばかりの映画ではないのだ。
『哭声』コクソンを見て、『大江山縁起絵巻』を思い浮かべた。
大江山の鬼、一説によれば、鬼である山に住む民は異国人であり、渡来人とも言われている。
鼻の形などの顔立ちや服装により、某国の外国人が住みついたという説もあるが、真っ向から異説を唱えられておられる方もいらっしゃるので、ここでは国の名は伏せておきたい。
大江山の鬼と國村隼さんの最後の場面とは、意味合いや鬼のいでたちが共鳴する。
鹿をとらえた初めの頃の彼は、人間男性の爪に泥がついていた。
最後の彼の爪は、銀化し伸びうねっていた。
顔や腕や体は、まさに赤き怖き鬼であった。
洒落ていたのは、余所者の山の家で見つけた小箱。
桐箱を開けると能面(女面)がまばゆい。
この能面はこの映画の後半、日本の物語性へと展開を促すし助長させる。
この映画は一点集中の光の使い方がうまい。
上に書いた能面と同じく、この導きとも言える光は、多用されていた。
ところで國村隼さんだが、私は以前から好きな俳優の一人である。
スマホのマイクで、遊びで次のようなことを試してみた。
【俳優 なんとか村】
すると一番に出てきたのは、國村隼さんであった。
國村隼さん、あっぱれじゃ!!!
以下 データーは全てウィキペディアによる
監督 ナ・ホンジン
脚本 ナ・ホンジン
出演 クァク・ドウォン
ファン・ジョンミン
國村隼
チョン・ウヒ
キム・ファニ
音楽 チャン・ヨンギュ
タルパラン
撮影 ホン・ギョンピョ
編集 キム・ソンミン
配給 大韓民国の旗 20世紀フォックス
日本の旗 クロック・ワークス
公開 大韓民国の旗 2016年5月12日
日本の旗 2017年3月11日
上映時間 156分
製作国 大韓民国の旗 韓国
言語 朝鮮語
概要
『チェイサー』『哀しき獣』ではスピード感を重視して直接的な暴力描写を用いたナ・ホンジン監督が、一転してシャーマニズムのほかキリスト教に関する要素を取り入れ、徐々に追い詰められる心理を丹念に捉えた作品である。
タイトルの『哭声/コクソン』は、実在する韓国の地名「谷城」(ナ・ホンジン監督が幼少期に住んでいた全羅南道谷城郡)と、「泣き叫ぶ」という意味の「哭声」をかけたものである。
20世紀フォックスで配給され、韓国国内では観客動員700万人に迫る大ヒット。
謎の男を怪演した國村隼は、外国人として初めて青龍映画賞で賞を得た。
日本人の國村がキャスティングされた理由は、イエス・キリストを「歴史上最も世界に混乱を与え、疑念を持たれた人物の一人」と評したナ監督の、「同じアジア人ではあるものの韓国人とは違う"よそ者"が必要だった」という考えによる。
あらすじ
何の変哲もない田舎の村、谷城(コクソン)。
その村の中で、村人が家族を惨殺する事件が立て続けて発生する。
容疑者にいずれも動機はなく、幻覚性の植物を摂取して錯乱したための犯行と発表されたが、謎の発疹を発症するなど説明しきれない不可解な点が多く残っていたことから、いつしか、村人たちの中では山中で暮らす謎の日本人が関わっているのではないかとささやかれはじめる。
捜査にあたる警察官のジョングは、オカルトじみたその意見を当初まともに取り合わなかったが、実際にその目で数々の異常事態を目撃したことにより、徐々に疑念を抱き、一度は断念した男の家への訪問を決める。そして通訳らとともに男の家を訪れたジョングは、得体の知れない祭壇や事件の現場を写した写真などとともに、娘ヒョジンの靴を見つけ、疑いを決定的にする。
ジョングが男と関わってから高熱を発していたヒョジンはすぐに回復したものの、苦手な食べ物を食らい、ジョングに対しても普段は親思いの彼女からは想像できない罵詈雑言を吐くなど奇行を繰り返し、その体には一連の容疑者と同じ発疹が現れていた。そして、家族が目を離した隙に、怖れていた事件を起こしてしまう。
事態を収拾するため家族が呼んだ祈祷師のイルグァンは、男をこの世のものではない悪霊だと断じ、抹殺のための儀式を行う。しかし、その最中に儀式の中止を訴え、苦しむヒョジンを見かねたジョングはイルグァンを追い出してしまう。一方、同じ時間に男も山中で儀式を行っていた。
その後ヒョジンの容態はさらに悪化し、発疹も全身に広がっていく。娘を案じる一心で仲間とともに山中の家に押しかけたジョングは、ついに男を追い詰めるが…
主要キャスト
ジョング:クァク・ドウォン - 警察官。
イルグァン:ファン・ジョンミン - 祈祷師。
山の中の男:國村隼 - 谷城にやってきた日本人。
ムヒョン:チョン・ウヒ - 事件の目撃者。
ヒョジン:キム・ファニ - ジョングの娘。
ソンボク:ソン・カングク - ジョングの同僚。
イサム:キム・ドユン - ソンボクの甥で助祭。
スタッフ
監督:ナ・ホンジン
脚本:ナ・ホンジン
撮影:ホン・ギョンピョ
音楽:チャン・ヨンギュ、タルパラン
プロダクション・デザイン:イ・フギョン
衣装デザイン:チェ・ギョンファ
編集:キム・ソンミン
録音:キム・シニョン
照明:キム・チャンホ
受賞
第37回青龍映画賞
監督賞 / 男優助演賞(國村隼)/ 音楽賞 / 編集賞 / 人気スター賞(國村隼)
第53回大鐘賞
新人女優賞(キム・ファニ) / 撮影賞 / 照明賞 / 録音賞
第20回富川国際ファンタスティック映画祭
観客賞 / 富川チョイス作品賞 / ベスト・オヴ・富川
第49回シッチェス・カタロニア国際映画祭
撮影賞 / フォーカス・アジア賞
第20回ファンタジア国際映画祭
ケベック映画批評家協会賞 / アジア作品観客賞銅賞
第69回カンヌ国際映画祭
非コンペティション部門招待作
お付き合いくださいましてありがとうございます。
感謝申し上げます。
現在は、テジョヨンを見ています。
いつも途中から帰ってきてみることになってますが。
トゥエルビ12で夕方からやってます。
といいつつ、その先にやる寺内貫太郎一家に興味があるんですが。
左とん平さんが亡くなってびっくりしました。
大杉漣さんの突然の訃報にも驚きましたが。
ご冥福をお祈りします。v±v
テジョヨンは歴史ドラマですか^^
面白そうですね。
ここ半年以上一年近く、あまりテレビをつけることがなかったのですが、テレビで三日間立て続けに映画を見ました。
面白かったです。
やはり一日に一回はテレビも見て見たいなと感じます^^
寺内貫太郎一家って、大変懐かしいです。
私も見てましたよ。
昔のドラマで、懐かしいものがいくつもあります。
左とん平さんで大変に印象深いサスペンスがありました。
左とん平さんはカメラ愛好家で、暗室まで持っておられる優しい夫役。
耳の御不自由な妻は浮気。妻は暗室に、水銀を持って毒素を欠かし続ける。
左とん平さんは気づいているのに、その毒素を吸い続け、海の見える草はらの丘で、息絶え絶えに、絞り出すような声で
「な〜み〜〜子(波子 妻の名 海の音が聞こえ妻のお耳が聞こえない方でしたので、勝手にこの文字「波子」を選びました。)」
をよぶ。
「あ な た〜」(妻は立ったまま、絞り出すような声 しばし悲しみを覚える)
そんな単純なサスペンスを2〜30年前に見たのですが、左とん平さんがうますぎて!!!!
あの表情が忘れられません。
ドラマの題名は忘れてしまったというのに。