源氏物語 全体を掴む。
岩波の日本古典文学大系を中心に、新日本古典文学大系を足して、『桐壺』を読み始めたが、頭注や解説にこだわりすぎて全体が見えにくい。
それでも日本古典文学大系の方はご親切に主語が加えられているので、新日本古典文学大系はわかりやすい。
また、高校の古典の授業や、社会人になってから古典の講座を7,8年は通い続けていたので、源氏物語もある程度は部分的にかじっているはずであった。
ところがどっこい、源氏物語は長い。
『桐壺』を丹念に言葉を調べ調べ読んでいると、全体の話の構造や展開がつかめない。
これは、歌舞伎の初めて見る演目(例えば、『霧太郎天狗の酒盛』)を一番前真ん中のかぶりつきで見たときのこと。
舞台全体は見づらいは、好きな歌舞伎に見入ってしまうわで、迫力は感じたものの、全体の筋書きは掴みにくかった。
後日、衛星劇場だったか歌舞伎チャンネルで『霧太郎天狗の酒盛』を見た時に、その筋書きをしっかりと把握できた。
源氏物語にも言えることで、『桐壺』の細部ばかりにとら割っていると、全体がつかめない。
また、日本古典文学大系は、鉛筆の書き込みがここぞと言わんばかりに真っ黒である。
先日子供が帰宅した時のこと。
彼の(中学)高校は古典は教科書は使わず、授業は源氏物語を丹念に読み進めていた。
息子に、私の本の書き込みを見せ、こんなに書き込んでいた?と尋ねると、先生から笑されたプリントをさらにコピーして、かなりの量を書き込んでいたという。
なるほど、このような真面目な学生が集まる学校でも、努力してるんだなと実感した。
すると、息子曰く。
「お母さん、漫画で全体を掴んがらいいよ。買ってあげようか?」と。
漫画の苦手な私は、
「それもそうだねぇ。」
と気の無い返事をして見たが、このいうことも一理ある。
わすが、勉強していた人間は、年下(子)であっても、まとをえた助言をしてくれるものだと、感心する事、仕切りなり。
私は図書館に足を運び、源氏関係の五冊の書物をお借りした。
円地文子、曽野綾子、グラフィック源氏物語、そして、古典文学全集1源氏物語(塩田良平)、くもん漫画源氏物語といったバラエティにとん掛方をして見た。
全て5冊を開けて見たが、読んだのは、円地文子、曽野綾子、グラフィック源氏物語。
そして、全体を掴むために完読したのは子供用の古典文学全集1源氏物語(塩田良平)、くもん漫画源氏物語の2冊。
子供用の古典文学全集1源氏物語(塩田良平)(ポプラ社)は子供に気を使って書かれているが、源氏物語の大切な話の展開がわかりやすい。
あながち子供用と侮れないが、人学としての面白みには欠けるのは、致し方がない。
続けて、くもん漫画源氏物語を見たが、古典文学全集1源氏物語(塩田良平)を読んだ後では骨組みがわかりやすく、また、10分も読める優れもの。
これで、詩人や作家の現代語訳を安直に使いながら、古典文学大系の源氏物語5冊に取り組めそうな気がしてきた。
只今コロナで大変な時ではあるが、自宅時間にいる時間が多い事を良い方向に捉え、いくつかの種類の古典に取り組み、併読していければ良いなと感じるが、何しろ、予定は未定。
しかし、志は高く。
納得できる楽しい時間を過ごしたい!
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