『日本語の世界 2』日本語の展開 1 言文二途へ(話しことばと書きことば)
松村明
中央公論社
昭和41年
1800円
日本語の展開 1 言文二途へ(話しことばと書きことば)
国語史の上で、中世の国語とは、鎌倉時代および室町時代の国語を言う。
平安時代 →京言葉が、標準的用語
鎌倉時代 →東国方言が加わる
『日本大文典』 ドロリゲス
『日本大文典』 とは
ロドリゲス著、三巻一冊の日本語学書。
キリシタン宣教師の日本語修得を目的として、1604年(慶長9)から08年にかけて刊行された。
文法を中心に音韻、文字、綴字(つづりじ)、語彙(ごい)、文体、方言に至るまで、当時の国語現象全般を豊富な具体例をあげて詳細に論述している。当時行われたラテン文典の構成を根幹としつつも、日本側の所説も参照し、著者独自の考えもある。
『日葡(にっぽ)辞書』とともに当代国語研究に不可欠の資料である。本書を整備、発展させたのが『日本小文典』Arte breue da Lingoa Iapoa(1620、マカオ刊)で、『日本大文典』の利用に際しては同書を参照する必要がある。
イギリスのクロフォード家およびオックスフォード大学ボードレイ文庫におのおの一部が現存する。 [阿部健二]
『土井忠生訳『ロドリゲス日本大文典』(1955・三省堂)』
『土井忠生・三橋健解説『日本大文典』(1976・勉誠社)』
『福島邦道著『キリシタン資料と国語研究』(1973・笠間書院)』
『めのとそうし』
『枕草子』
『徒然草』
連濁
鎌倉時代から室町時代にかけて、漢字を中心として、連濁の現象が顕著に見られる。
進退(しんだい)
炎暑(えんじょ)など
連声(れんせい)
連濁と似た性質の音韻現象(室町)
安穏(あんをん)
延引(えんいん)など
謡曲『隅田川』
唐音語
行灯(行灯のあん など)
唐音とは
唐音(とうおん・とういん)は、日本漢字音(音読み)において平安時代中期以降、江戸時代末期までに中国から入ってきた字音にもとづくものをいう。
宋以降の字音である。唐音の唐は、漢音・呉音と同様に、王朝名を表す(唐朝)のではなく、中国を表す語(唐土)である。
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