映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』 5,8★/5★(満点以上) 蜷川実花監督 小栗旬 宮沢りえ 沢尻エリカ 二階堂ふみ 美術:Enzo 照明:藤井勇 2019
2019年9月13日
映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』の封切り日に、家族と二人で楽しむ。
結露から言おう。今回の蜷川実花監督作品も、素晴らしい出来栄えであり、映画が終わってもしばらくはまともに歩く事ができないほど感動した。
私は芝居や映画を見て腰が抜けたような状態というのか、感動のあまり立てなくなった作品というのは、片岡仁左衛門丈で二回、そして今回の映画プラス「α」くらいのものである。
ここから下はしばらく私自身が印象深かったり、感動したり、涙を流した場面を記録したい。
しかし、これから見ようと思われていらっしゃる方が多いので、ネタバレにならないように、箇条書きで記すことにした。
[歌舞伎]
随所随所に芝居が効果的に取り入れられている^^
映画には『曽根崎心中』のような赤いリボンで結ばれた場面が二回、また、ちょうど中泥すぎで、おそらく三社祭りか神田祭だと思うが、『夏祭浪花鑑』の場面を思わせるような歌舞伎をふんだんに取り入れたれた素晴らしい映画であった。
[色]
色彩が美しい。
一見モノクロームに近い色に見えるが、色という魔物の中にも多くの色が息を潜め、豊かで味わい深い。
蜷川実花監督らしい色を散りばめたべやから、物静かに見えるが意思の強い色彩豊かな一見単色の色に移りゆき、その一見単色の豊かな色彩は、品の良い上質な小説を読むように話が展開する。
赤はいつもどこかにい、時には小さく時には大きく、そして 時には大胆鮮やかに描かれている。
その赤は、この作品の意思を引き継がせるようで、作品自体に流れが生じている。
最後の紫の花の使い方も効果的だ。
二人の女には、紫の花を使用。
一人の女には思い出という名の作品の印税。この英開き方もうまい。
[印象的な場面(登場順)]
妻の
「お父さんはこれから傑作を生み出すのよ(要約)」
という言葉に、切なさを感じた。
この言葉は、印象深い。
カフェの二回を貸した壇蜜さんの、もの悲しい表情。
心中相手の女性と花火の下での接吻中に、子供と妻が通りがかり、
「お父さんは傑作を生み出しているの?(要約)」
に家族の姿に築いた太宰が、追いかけ、子供達の後ろ姿を見て、臍を噬む臍を噬むような表情を浮かべた時。
小栗旬さんはこの他にもたいそう素晴らしい表情を演じられていた。
雪の真っ赤な血を吐かれ、白と赤のコントラストに、心中物の緊張感を感じた。
心中し、水中で、こんなはずではなかったともが枯れた顔をなさった場面。
沢尻エリカさんの自分の名が載った本をて看取り、ほくそ笑まれた時。
幼いご病気を抱えられたあどけないご長男が墨をこぼし、ある程度物事のわかっていつ長女が徒党とと一緒になってこのれた墨で自分自身(長女)の涙を笑いに変えた。
そんな二人を見た喪服姿の妻が、子供達と一緒になって、墨で涙を笑いに変えた。
この時私の金銭はきれ、大泣きに泣いたのです。
ラストの宮沢りえさんの
「これで(やっと?)終わったわ(要約)」
と言い、青空の元選択を広げ、記者たち(世間)が帰って行った時。
[シビアな映画なのに楽しい]
作家仲間とのやり取りに心がワクワクした。
な近しい名前がいっぱい。
好きな作家もなだけでてきたり。
私の心は小学生まで遡る。
あまりに懐かしく嬉しくって、映画を見ている途中、
「ふふっ。」
と息が漏れる。
翌日昼寝をして、小学生や中学生の頃に見ていた懐かしい夢うを久々に見た。
それは、とある小説家の作品の本の一場面であった。
この映画には出てこなかった作家だが、こういった若かりし頃の今は見ぬ夢を見させてくれると行った点でも、素晴らしい映画であった。
[キャスト]
これ以上は考えにくいであろう役柄に合った役者が出演されていた。
この映画の主役である小栗旬さん。
もし、彼ではない役者をとなると、体操難しい。
太宰治という人物に合わせた顔や雰囲気を作り出せる役者でなければならない。
この場合、丸顔はいただけないし、信解異質さを出せる役者でなければならない。
何より、演技力。
そして、ふっ!と力を抜いた時の、笑顔。(これをができる役者は数少ない)
小栗旬さん以外に考えて見たが、いずれも少しご年齢が植えすぎた。
よって、この役は彼のために作られたと行っても過言ではない映画とも感じた。
また女優がそれぞれに良い。
作家、坂口安吾や三島由紀夫も、印象深かった。
[無題]
感銘を受けた歌舞伎などの舞台や映画に触れると、それに関する元本を読みたくなる。
この映画でも折を見て太宰作品(再読も含む)に触れたい気持ちが大きい。
そのことを考えてもこの映画は素晴らしいと、私は思う。
私の場合は、もう一度劇場で、見る席を変えて見てみたいと思う映画の一つであった。
好みや感じ方は人それぞれなので、上に書いたことは、あくまでも私の感じ方です。
よろしくお願いいたします。
『人間失格 太宰治と3人の女たち』(にんげんしっかく だざいおさむとさんにんのおんなたち)とは、2019年9月13日に公開された日本映画。
監督は蜷川実花、主演は小栗旬。
太宰治の小説『人間失格』を原作としたものではなく、太宰治と3人の女性との関係における実話を基に描いたフィクション作品となっている。(ウィキペディア)
スタッフ (ウィキペディア)
監督:蜷川実花
プロデューサー:池田史嗣
脚本:早船歌江子
音楽:三宅純
主題歌:東京スカパラダイスオーケストラ「カナリヤ鳴く空 feat.チバユウスケ」(cutting edge / JUSTA RECORD)[5]
製作総指揮:大角正、佐野真之
製作代表:高橋敏弘、豊島雅郎、木下直哉、三宅容介、山本将綱、藤田浩幸、金谷英剛、宮崎伸夫
エグゼクティブ・プロデューサー:吉田繁暁
企画・プロデュース:池田史嗣
プロデューサー:秋田周平、宇田充
ラインプロデューサー:阿部智大
撮影:近藤龍人
美術:Enzo
照明:藤井勇
録音:松本昇和
スタイリスト:長瀬哲朗
ヘアメイクディレクション:稲垣亮弐
編集:森下博昭
VFXスーパーバイザー:オダイッセイ
装飾:前田陽
衣装:青木茂
ヘアメイク:HAMA
音響効果:伊藤瑞樹
音楽プロデューサー:高石真美
宣伝プロデューサー:笹部優子
アソシエイトプロデューサー:秋吉朝子
アシスタントプロデューサー:松田裕佑
記録:松村陽子
制作主任:後藤一郎
制作担当:木村広志
助監督:吉田亮
ラインプロデューサー補:山田智也
配給:松竹、アスミック・エース
制作プロダクション:松竹撮影所
制作協力:松竹映像センター
・制作:松竹
:「人間失格」製作委員会(松竹、アスミック・エース、木下グループ、ポニーキャニオン、トライストーン・エンタテイメント、電通、ラッキースター、朝日新聞社)
キャスト (ウィキペディア)
太宰治:小栗旬
津島美知子:宮沢りえ
太田静子 : 沢尻エリカ
山崎富栄 : 二階堂ふみ
来泉
山谷花純
片山友希
宮下かな子
山本浩司
壇蜜
木下隆行(TKO)
近藤芳正
佐倉潤一 : 成田凌
太田薫 : 千葉雄大
伊馬春部 : 瀬戸康史
三島由紀夫 : 高良健吾
坂口安吾 : 藤原竜也
気分がいいので能楽『船弁慶』 2013年
これは観なければ。
蜷川実花監督って蜷川幸雄さんの娘さんなんですね。
彼の映画やテレビも今めくってみましたが「おはなはん(1966年、NHK)」と「敦煌(1988年、東宝+大映)」くらしか知りません。
芝居の練習で灰皿が飛んでくるという蜷川幸雄さんのことももっと知りたいし、その娘さんと来たら余計に興味が沸いてきます。
>随所随所に芝居が効果、歌舞伎を取り入れた、一見モノクロームに近い・・・・
う~~~ん、Ranchoさんが選びだした言葉に私も乗ります!(笑)
『船弁慶』のノリですか!
私も観月祭の『船弁慶』まで観たくなるじゃーないですか!
まだ暑いけど、芸術の秋の先取りをしなくては!
ご紹介有難うございました。
嬉しいコメントに感謝します^^
私は芝居でも映画でも、喜劇は好きですが、それ以上に泣ける作品が好きです。
ただ、芝居などを見に行っても、
「こんな真面目な芝居は見たくなかってん。もっと気楽で面白いのが、ええねん。」
とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。
私たちのみた時間は四人切りでしたが、その内ご年配の方が、途中で退出されました。
しかし残りのお一人は、こちらまで聞こえるくらいに大きくすすり泣き(私もです^^)されていらっしゃいました。
なので、人により感想や評価は大きく違うかもしれません。
映画や文学のお好きな小父さんの好みに合えば幸いです^^
蜷川幸雄さんはすごい方ですね。
舞台の好きな私は菊之助さんの出演されていた『蜷川十二夜』が印象深く、忘れられません^^
蜷川実花監督はお嬢様に当たりますが、娘様だからでは無く、また違った感性の独立した一個の素晴らしいアーティストだと思います^^
はじめに見たのは『さくらん』でした。
あれも素晴らしく、DVDや再放送で何度見たことか^^
さくらんは日本の色彩をふんだんに取り入れられ、また話の展開も面白く、アップテンポでしたね。
あの映画で、土屋アンナさんまで好きになりました。
『さくらん』は錯乱にも通じ、色彩がサイケデリックでありながらも基本を忘れず一体化した作品に仕上がっていて、素晴らしい。
先日見た『ダイナー』も興味深すぎで、未だに藤原竜也さんの台詞
「俺は〜、ここの〜、王だ!!」
と、突然叫びたい衝動にかられます。
蜷川実花監督の評価は二分されているそうですが、伝統芸能が好きで美術が好きな私にはたまらなく魅力的な監督の一人です^^
Ranchoさんの記述を読み直してなるほどとも思いましたが・・・
>その内ご年配の方が、途中で退出されました。
はっはっは、姿こそ見ませんが後でそんな気配を感じましたね!
エンド‐ロールに蜷川実花監督の名を見て、そうだったんだ!とフランシス・コッポラの娘さんのソフィア・コッポラ監督(48歳)の作品『ロスト・イン・トランスレーション』に『マリー・アントワネット』と勝手にダブらせてしまいました。
二度ほど教会の讃美歌風の大きな歌声が、映像と共鳴しあいますよね。
私が年寄りなのか、ん?と思ったものです。
三社祭りの神輿や風車に子供のたくさんの笑顔は受けいられます。だけど映画に出て来た子供達には見せられないななんて考えていました。
はじまり(導入部分)で名優の小栗旬と藤原竜也のシーンには若者のお芝居してらーくらいに思ったものです。
ところが高良健吾が小栗旬を怒鳴り上げるシーンには、「あっ、太宰治と三島由紀夫って似てるんだな~」とも感じました。よかったです!
ソフィア・コッポラ氏と蜷川実花さんの名前を並べたのは、これが現代の表現なのかみたいな印象です。
自分で自分をうまく表現できませんが、私はやはりクラシック映画の中に住んでいるのかということです。
この作品を観て、今日はこれをアップするぞと意気込んでいたんですが、ヘナヘナとその自信を無くしてしまいました(笑)
そうだ!私は、小説「人間失格」を観にいくつもりだったんですね。映画館予告にもR15+となっていたんで「なんで?」を納得しました(笑)。いつの頃からかそんな表記になりましたが、私の若い頃は18歳未満禁止でしたよね。
うん、観たい、観たいという目的は達せられましが、Ranchoさんの「歩く事ができないほど感動」や「腰が抜けたような状態」は残念ながら体験できませんでした。やはり、老化してるってことでしょうね(笑)