乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

くるわぶんしょう さかたとうじゅうろう 近松門左衛門作

2007-05-31 | 歌舞伎

(写真は 木)   

    くるわぶんしょう 

 

 5月21日、○HKホールにて、さかたとうじゅうろうさんによる、4年ぶりの近松座公演。

 まずは『くるわぶんしょう』の感想から…

 

 

      くるわぶんしょう   近松門左衛門作

 

 

 吉田屋 藤屋伊左衛門   さかたとうじゅうろう

 喜左衛門          坂東たけさぶろう

 女房おきさ         中村がんのすけ

 扇屋夕霧          中村かいしゅん  他

 

 

 カブキの『くるわぶんしょう』は和事といわれる芝居の一つ。

 伊左衛門は編笠をかぶり、この芝居も先日少し書いていた、紙衣着用(とはいえ、芝居で実際に来ておあられるのは、紙衣ではありませんでした)。

 筋書きは省かせていただきますが、芝居の内容は最後はハッピーエンド。とても簡単で明快。万人にわかりやすいお芝居の一つだと思います。

 途中の伊左衛門の心の葛藤や男のすね具合、かわいさ、愛らしさ、いじらしさ、嫉妬、甘えや色々な思いを、仕草や表情、声色や台詞などで微妙にたくみに演じわけ、見せ場を作る必要があるむずかしいお芝居。

 とうじゅうろうさんはこういった和事の芝居が特異とされていて、とても面白く、笑わせていただき、また、とうじゅうろうさんの素晴らしい演技を、うっとりと楽しませていただきました。

 この『くるわぶんしょう』も何度見ても見飽き内演目の一つ…

 

 

 

 N○Kホールにおける、近松座公演全体の感想

 

 一 N○Kアナウンサーとのトーク 30分

 休憩 20分

 二 かがみじし  

 休憩 10分 

 三 さかたとうじゅうろうさんによる ひとり口上

 休憩 20分

 四 くるわぶんしょう 

 

 

  実際には『かがみじし』と『くるわぶんしょう』だけだったのに、NH○アナウンサーとのトークや休憩が長く、終わった頃には いつもになく、ひどい頭痛が起こってしまいました。

 

 ○HKホールは驚くばかりに美しく、近代的。

 階段は木製、化粧室の鏡も非常に美しい。

 その割には、休憩時間にお掃除の女性がバケツをトイレの真ん中においていたりで、少々不愉快な思いをしたのは、私だけでしょうか…

 

 N○Kホールは大阪歴史博物館の真横。

 NH○ホールからはN○Kホールの立派な鉄格子の隙間から大阪城が見えた。素晴らしい眺め。

 ○HK案内嬢は美しい人ばかりだが、公演中もヒールの音をこつこつと大きく響かせて、遅れてきた観客を案内。もう少し上品に歩けないものか、と叱りつけたくなる衝動を抑える。

 トイレといい、案内嬢といい、ちぐはぐさ加減がN○Kらしいとも感じられるとでも言って、怒る感情を抑えることにしましょう…

 

 客席は非常に座りやすく、舞台も見やすい。

 美しく立派な会場も、無神経な係員や掃除員の無神経な態度に、居心地の悪い。

 

 舞台も非常に大きく、立派。左右に短い花道風の舞台が設置。響きすぎるくらいの音響で、『さかたとうじゅうろうさんによる ひとり口上』はなんだか安っぽく感じて、さかたとうじゅうろうさんが気の毒。

『かがみじし』を舞うには大きすぎるが、押し戻しは花道モドキが貧弱。また、『くるわぶんしょう』においても舞台が大きく、芝居がちっぽけに見える。だが、とうじゅうろうさんの演じ方は深く細やかで、彼そのものが大きく感じた。素晴らしい役者さんだこと。

 とうじゅうろうさんのお話はとても楽しゅうございました。まあ、演目や口上がよければよしとしましょうか…

 

 

 

コメント (12)
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ネバーランド   ジョニー・デップ、ダスティン・ホフマン ジェームズ・バリ『ピーター・パン』の実話

2007-05-31 | 映画

(写真は田んぼ。元はチョコ色とクッキー色。何となく アイスボックス・クッキーに似ていておいしそうな色なんだ。今年初めて、こんな景色に出会いました。)

   

    ネバーランド Finding Neverland

 

 満足度 ★★★★★

 感動度 ★★★★☆

 ジョニー・デップが出ていたよ~ ★★★★★

 ダスティン・ホフマンが出ていたよ~ ★★★★★

 色彩美 ★★★★★

 お勧め度 ★★★★☆

 

 2004年 イギリス・アメリカ 1時間40分

 監督 マーク・フォースター

 

 キャスト

 ジョニー・デップ

 ダスティン・ホフマン

 ケイト・ウィンスレット

 ジュリー・クリスティ

 フレディ・ハイモア

 ラダ・ミッチェル

 ケリー・マクドナルド 

 

『ピーター・パン』の作家ジェームズ・バリの実話に基づく映画。

『ピーター・パン』が書き上げられるまでのドラマは興味深い。

 

 作家ジェームズ・バリが少年ピーターに対して、

「この話は君だよ。」

の言葉を受けて、

「本当の主人公は、彼だよ。」

と、ジェームズ・バリを指さして にっこり笑う少年の笑顔は、胸のすく思いがする。

 

 この映画も ジョニー・デップの演技力は見ごたえがある。

 この映画で興味深いのは、ジョニー・デップの『形』或いは『ポーズ』のとり方。

 かっこよさと作品のジュ大交差を絶妙なほどに計算しつくした『ポーズ』は、どちらかというと映画というよりは舞台に近い。各箇所で歌舞伎の『形』を思い起こさせる、『ポーズ』の美しさ。

 特に好きだったのは、ベンチの場面。ジョニー・デップ向かって左、少年向かって右。ピーターを覗き込むジェームズ・バリ(ジョニー・デップ)の三角の作り方は、歌舞伎の形に似ている。ジェームズ・バリの左手の角度は、画面を広げ、素晴らしい構図だった。

 おそらく、舞台の技法(形など)を強調して日常にも取り入れたのは、『ピーター・パン』といった舞台を描く上で、ジェームズ・バリ(ジョニー・デップ)自身が永遠の夢見る少年、ピーターパンを描きたかったからではないかと思う。

 

 ジョニー・デップの台詞の言い回しと声色の力の抜き具合と強め方は、私は特に好きだ。ジョニー・デップを見ていると、うまい舞台役者をも思い浮かべる。映画の彼を観ていると、この映画に限らず、ジョニー・デップが舞台ならば、映画とはどう変え、どういった演じ方をするのだろうと考えてしまう。

 

 ダスティン・ホフマンは画面に出てくるだけでも重厚感を一層強め、作品を上質に仕上げていた。

 

 この映画の色彩はとても好きだった。

コメント (4)
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シークレット・ウインドウ  ジョニー・デップ スティーヴン・キング原作

2007-05-31 | 映画

 (写真は空に舞う鳥)

 

記録だけ

   シークレット・ウインドウ

 

 

 満足度 ★★★★★

 感動度 ★★★★★

 話の展開 ★★★★☆

 話の好み ★★★★★

 ジョニー・デップが出ていたよ~ ★★★★★

 ジョニー・デップのスウィング ★★★★★

 構図 ★★★★★

 お勧め度 ★★★★★

 

 原作 スティーヴン・キング

     『グリーンマイル』『ショーシャンクの空に』『ミザリー

 監督 デビッド・コープ

     『パニック・ルーム』(監督)『スパイダーマン』(脚本)

 

 キャスト

 ジョニー・デップ

 スティーヴン・キング

 

 映画が始まって十分以内で、話の内容が見えてしまった単純さはあったが、思う通りに話が流れていくのも悪くない。

 こういった精神内部を描いた作品は好みとして好きだ。

 神経質から始まり、潔癖症、イライラ、分裂症や強迫観念、二重人格などの複合された描き方がうまい。

 特に精神分裂の描き方は見事と言わざるを得ない。

 特に部屋の壁面中央がパリパリパリ…と割れていく描き方は、『パニック・ルーム』を思い浮かばせる。

 

 話は良くあるパターンをなぞった感じはするが、かえって万人受けして、集客力は増えたのではないだろうか…

 ジョニー・デップとスティーヴン・キングが深く演じ、監督は細やかに作品を描く上げ、心理学を多少でも好きな人間にとっては、宝の宝庫のような映画だといえる。

 とにかく面白い。

 画面に観客を最後までひきつける、秀作且つ娯楽映画だといえる。

 

 ここではあらすじは省かせていただきます。

 

 

 

コメント (2)
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