Cronaca di una passione
監督 ファブリッツィオ・カッターニ
久々、泣けてくる〜
不況の犠牲者。こんな不況にならなければ、夫婦揃って幸せな生涯を過ごしたはず。。。
シンプル、実に地味な映画。
フィードバックやら、回想場面もなく、時系列そのままにストーリーが流れていく。
タイトルを直訳すると「ある情熱の新聞記事」。
暗いが、全体にしっとりとした良さがある。
こういう(真面目すぎるほど真面目な)映画は見たくない、と思う人もいるだろう。
でも、心に残るものがある。心に響く。
映画は娯楽、と言い切る若者は、こういうのダメ〜と言うだろう。
しかし、壮年にはぜひ見て欲しい。
結婚生活40年以上、夫婦の恋愛物語でもある。
超真面目夫婦、70代のジョヴァンニとアンナは、小さなレストランを経営している。
アンナの料理を喜んで食べに来る顧客はいるが、経営は苦しい。
一人息子はやや離れたところに住んでいて、二人目の子供が生まれたばかり。
自分たちの生活に手一杯で、親のことまで真剣に考える余裕はない。
ある日、税務署から、税金滞納、支払い催促の通知がきた。
1年前にも来ていたのだが、その時は支払うことができず、さらに金額は増えて、50000ユーロ(600万円)に達していた。支払わなければ持ち家が競売に掛けられる。
何人かの友人に相談するが、どこも不況で、助けてくれる友人はいない。
超真面目な性格が災いし、子供たちに事情を訴えて助けてもらおうとも思わない。
持ち家を手放し、レスランも閉めざるを得ない状況に追いやられ、なんとか見つけた下宿はシングルルームしかないようなところで、結婚して初めて夫婦別々に過ごす。
低所得者用アパートの申し込みのオフィスで、夫婦二人の寝室だけがあればいいんです、と訴える。(涙〜)
何ヶ月にも渡って市長に訴えたことが功を奏して、なんとか小さな仕事は見つかった。
二人で住める小さなアパートも見つかった。
しかし、最後にはその職も失うことになり、失わないためには、ウソの障害者認定を受ける必要に迫られる。(実はイタリアには沢山いる。。。)
そんなことはできない、と断るジョヴァンニ。(涙〜)
結婚生活40年以上、地味に真面目にやってきたのに、職を失い、道を閉ざされた夫婦に残された道は。。。
最後の旅行を計画する。
そして、最後の食事。(ダメ〜、涙〜)
上映後の恒例のインタヴューには、監督以外、ジョヴァンニとアンナ役(お年を召しているが美人)の二人、市長役の女性の合計4人が出席した。
監督曰く、2012年に本当に起こった話を元に制作したそう。
このところの長い不況の犠牲。
イタリアでも統計的に自殺は増えている。(日本ほどではないが。。。)
その全員が不況の犠牲とは言えないが、その数値は国としてもまずい(だろうな〜)ので、統計に出さなくなったらしい。
そんなこんなで、世の中に何か訴えることのできる作品を作りたかった、と。
笑わせる場面もあるのだが、内容は明るいとは言えず、制作に資金を出す人は少なく、わずかな資金、短い撮影期間で制作された。
自殺者の多い日本でもせひ上映して欲しい。
息子夫婦に電話するところ、会いに行くところなど、小津監督の「東京物語」を思わせる場面。。。。子供が小さくて、生活はあっぷあっぷ。でも、親のこと、考えてあげてね〜と思うと同時に、私も、もっと考えてあげればよかった、と反省するのであった。
監督 ファブリッツィオ・カッターニ
久々、泣けてくる〜
不況の犠牲者。こんな不況にならなければ、夫婦揃って幸せな生涯を過ごしたはず。。。
シンプル、実に地味な映画。
フィードバックやら、回想場面もなく、時系列そのままにストーリーが流れていく。
タイトルを直訳すると「ある情熱の新聞記事」。
暗いが、全体にしっとりとした良さがある。
こういう(真面目すぎるほど真面目な)映画は見たくない、と思う人もいるだろう。
でも、心に残るものがある。心に響く。
映画は娯楽、と言い切る若者は、こういうのダメ〜と言うだろう。
しかし、壮年にはぜひ見て欲しい。
結婚生活40年以上、夫婦の恋愛物語でもある。
超真面目夫婦、70代のジョヴァンニとアンナは、小さなレストランを経営している。
アンナの料理を喜んで食べに来る顧客はいるが、経営は苦しい。
一人息子はやや離れたところに住んでいて、二人目の子供が生まれたばかり。
自分たちの生活に手一杯で、親のことまで真剣に考える余裕はない。
ある日、税務署から、税金滞納、支払い催促の通知がきた。
1年前にも来ていたのだが、その時は支払うことができず、さらに金額は増えて、50000ユーロ(600万円)に達していた。支払わなければ持ち家が競売に掛けられる。
何人かの友人に相談するが、どこも不況で、助けてくれる友人はいない。
超真面目な性格が災いし、子供たちに事情を訴えて助けてもらおうとも思わない。
持ち家を手放し、レスランも閉めざるを得ない状況に追いやられ、なんとか見つけた下宿はシングルルームしかないようなところで、結婚して初めて夫婦別々に過ごす。
低所得者用アパートの申し込みのオフィスで、夫婦二人の寝室だけがあればいいんです、と訴える。(涙〜)
何ヶ月にも渡って市長に訴えたことが功を奏して、なんとか小さな仕事は見つかった。
二人で住める小さなアパートも見つかった。
しかし、最後にはその職も失うことになり、失わないためには、ウソの障害者認定を受ける必要に迫られる。(実はイタリアには沢山いる。。。)
そんなことはできない、と断るジョヴァンニ。(涙〜)
結婚生活40年以上、地味に真面目にやってきたのに、職を失い、道を閉ざされた夫婦に残された道は。。。
最後の旅行を計画する。
そして、最後の食事。(ダメ〜、涙〜)
上映後の恒例のインタヴューには、監督以外、ジョヴァンニとアンナ役(お年を召しているが美人)の二人、市長役の女性の合計4人が出席した。
監督曰く、2012年に本当に起こった話を元に制作したそう。
このところの長い不況の犠牲。
イタリアでも統計的に自殺は増えている。(日本ほどではないが。。。)
その全員が不況の犠牲とは言えないが、その数値は国としてもまずい(だろうな〜)ので、統計に出さなくなったらしい。
そんなこんなで、世の中に何か訴えることのできる作品を作りたかった、と。
笑わせる場面もあるのだが、内容は明るいとは言えず、制作に資金を出す人は少なく、わずかな資金、短い撮影期間で制作された。
自殺者の多い日本でもせひ上映して欲しい。
息子夫婦に電話するところ、会いに行くところなど、小津監督の「東京物語」を思わせる場面。。。。子供が小さくて、生活はあっぷあっぷ。でも、親のこと、考えてあげてね〜と思うと同時に、私も、もっと考えてあげればよかった、と反省するのであった。