こんな本を読みました

気ままで偏りのある読書忘備録。冒頭の文章は、読んだ本からの引用です。

『こういう了見』(古今亭菊之丞)

2015-03-23 | ルポ・エッセイ
でも稽古していれば、自分がどんなに落語が好きだったかを
改めて感じられるんです。それがわかると、何とかなる。


 いまや若くして初席のトリまでつとめる菊之丞師匠の自伝。いやもう、前座時代の話が自分の修業時代
と重なってもう、胃が痛くなる思い。(自分の場合、半年で挫折したのち、もうちょっとゆる~いところ
で復活したのだが)とにかく自分がいかにダメかを思い知らされて、毎日怒られて、ますます萎縮してダ
メになって、死んだら楽になるかなと思うくらい追い詰められて、でもやっぱりどんなにボロクソに言わ
れても師匠が好きで落語が好きで…というあたり。とにかく真面目な人なんだなと思った。
 で、二ツ目以降は真面目に遊んで芸人として成長していく姿も頼もしく。落語を「惚れ抜いた女」と例
えるところも師匠らしく色っぽい。とても興味深く読めた。まだまだ読みたいと思う自伝だった。
 ストーリーとしてはもう少し泣きどころが欲しかったかな?というのは演出過剰に慣れてしまってるせ
いか。あったらあったで、あざといと評するに決まってるのだ。

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