こんな本を読みました

気ままで偏りのある読書忘備録。冒頭の文章は、読んだ本からの引用です。

『何者』(朝井リョウ)

2018-01-11 | 現代小説
「ほんの少しの言葉の向こうにいる人間そのものを、想像してあげろよ、もっと」



『桐島、部活やめるってよ』とかキャッチーな小説を書いている若手ホープ作家(表現が古い!!)の、直木
賞受賞作。たまにはこんなのも読んでみないとなと。実は読了したのは2か月以上前なのだけど。現代の若者
たちの「就活」を中心に据えつつ、繰り広げられるアピールとマウンティング、それを冷めた目で眺める主人
公・・・のはずが・・・というストーリーで、自分にはまったく無縁の世界ながら時にギリギリ、時にハラハ
ラしながら楽しく読めた。なんといっても今の大学生でなくてよかった〜!・・・と。エントリーシートおそ
ろしや。SNSこわっ。裏アカ、なんでそこまで??と、ついていけないことばかりでただでさえ世渡り下手な
私がこげな世界でうまく泳ぎきる自信なかよ〜。立ち位置的には主人公に近いのかな・・・と最後まで読んで
突きつけられた衝撃もなかなか。(ちょっとお嬢さん、まくしたてすぎ!とも思ったが)詳しく書くとネタバ
レになってしまうので自重するが、何者でもない自分、圧倒的な才能に恵まれず、かといってなりふりかまわ
ず前に出て行く努力もしない自分なのにどこか特別っていう意識を捨てられずにいること、あらためてかっこ
悪いものなんだよねと。生きててすみません、と思いながら読み終わったのであった。刺さったわ〜。ま、そ
のままのスタンスで倍生きてきたら一周回ってどーでもよく・・・ならないしな、これが。
「何者」、なかなか含蓄のあるタイトルだ。

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3 コメント

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Unknown (まさぽん)
2018-01-13 15:01:22
いやはや、usainuさんのコメントも刺さるわ〜(^_^;
何者でもないのに、特別って意識が捨てられない・・、
ふんふん・・・・・。
そうそう、本の中身とは関係なく、
今若くなくて良かった、とは結構頻繁に思いますね。
ここまで職業を変えずにやって来られた、
というのも、時代に上手く乗れたからかな、
と常々思ってる私です。
なんか、本ってやっぱいいですよね?
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Unknown (うさいぬ)
2018-01-15 10:48:10
ぬおお〜?
まさぽんさんほど「持ってる」、そして
人間のできたお方でもそんなふうに?
いや〜まさぽんさんは「特別」と思っていていいですがな。
このまま勝ち逃げしてください^^

きっと、あとの時代に生まれていたらいたで
今の私たちが「きついな〜」と思っていることが常識で
それなりに生きていけるのでしょうね。
それを追体験させてくれる本って偉大です^^
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Unknown (まさぽん)
2018-01-16 13:09:56
いやいや〜、とんでもない・・。
もう少しでもできればなあ、
と日々感じているこの頃です。
ふむふむ、そうですね、
今若かったら、またそれなりに生きてるのかも、
ですね〜。
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