こんな本を読みました

気ままで偏りのある読書忘備録。冒頭の文章は、読んだ本からの引用です。

『家族野菜を未来につなぐ』(三浦雅之・三浦陽子)

2014-07-08 | ルポ・エッセイ
伝統野菜の種を探し、その在り方や存在を探るうちに、まるでその宝に寄り添うように、
種とともに地域に残り、ひっそりと受け継がれていたのは、日本が誇るべき、いにしえの
文化や知恵だということに気が付きました。


 仕事がらみの課題図書だったのだけど、福祉の世界から予防福祉へ、そして「農」を中心としたライフ
スタイル、地域の振興へと視野と自らの世界を広げていったご夫婦の信念とパワーに感服。モノと情報が
あふれ、拝金主義がまかりとおる現代社会に矛盾と疲弊を感じ、プリミティブなものにやすらぎを求める
人は増え続けている。その究極のかたちが「農」なのではないだろうか。日々土にふれ、地域に根をおろ
し、人と向き合い助け合う暮らし。そのなかで家族を、地域を潤すためのまさに「種」の存在に気づき、
地道に求めた行動力が素晴らしい。その「種」たちが、歳月を経るうちに見事にさまざまな成果へと実を
結んだ根底には何があるのか。運?人徳?メディアの追い風?それとも大和野菜のおいしさ?
 いや、「農」を通して出会った日本人本来の知恵や生き方こそ、未来への希望をつなぐものであると信
じたい。
 ともあれ、地道な努力の末に復興された大和野菜のおいしそうなこと!軽妙に読めて、しっかりとメッ
セージを伝える口語文体も本に合っていた。こういう気取りのない文章が書けるようになりたいんだよな~


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