さくらの大学ノート

さくらが日々想うことをつづります。
(旧だいがくしょくいんのたまご・ひよこ)

不合格の理由

2005年11月17日 | 大学について思う
マイスターさんが群馬大学のその後を教えてくださいました。


マイスターさんのところの、コメント欄にも書いたのですが、
私立大学はもう入試シーズンに突入…。

私がアルバイトをしているインフォメーションセンターにも、
不合格の理由の問い合わせや、クレームが入ってきます。


群馬大の件は、話を聞いた当初は、大学関係者として、何やってんだ!と思うこと
しきりでしたが、実際にクレームなんかを受けるようになって、この問題は、
大学全入時代、生涯学習時代の大学における入試の役割を、改めて考える
必要があるぞ!という警鐘を鳴らしているんだ、という風に感じるようになりました。

群馬大の場合、アドミッションポリシーに「年齢」について掲げていなかったのは、
単に今まで、そういう受験生(かつ合格者)がいなかったからなのでしょう。

大学全入時代、生涯学習時代…

社会人が大学に学びに(戻って)来る時代ですよ。


学ぶのに年齢がひっかかる、しかしアドミッションポリシーに掲げられない、
というのであれば、得点だけで合否を判断する一般入試をやめるしかないでしょう?


建前だけのアドミッションポリシーを掲げている大学、まだまだあるんじゃないかと
思いますよ…。








さて、うちの大学にきた不合格の問い合わせ、クレームについて少し…。



不合格の理由については、個別に応対する、ということはやっていないので、
納得してもらえる限りは、インフォメーションセンターで対応します。

理由を公表しないことに関して、是非はあると思います。
現実問題、個別対応は現時点では無理なんですが、
とくに、AO選抜などは、受験生も全身全霊を傾けてくるので、
自分を否定されたみたいな感じに思ったりしていないといいな、と思います。

どういうところが良くなかったのか、ということを自分自身で
考えてもらうためのヒントをいくつか伝えて、電話をおいています。


うちの大学の場合、人に言えないような理不尽な理由で不合格にしたりはしないので。
誠意を持って話せば、大概納得してくれるのですが。



以前、ある受験生さんの親御さんから、こんなクレームが入りました。

「不合格者に通知を送らないのは誠意に欠ける」と。

合格発表はインターネットか専用ダイヤルで確認してもらうようになっており、
合格者に対してのみ、通知を送っています。
(もちろんそのようにする、ということは募集要項に明記してあります。)


「高い受験料(3万円です)を払っているのだから、
そこから通知の用紙代や封筒代を出したってたいしたことじゃないでしょう」


確かに対個人で考えれば、そうかもしれませんね…。


「不合格者に対して失礼だ!誠意がない」

「(パートの)あなたに話しても意味がない。責任者に代われ!」


興奮していて何を話しているのか聞き取れなくなってきました。
そして…


「だからX大学(うちの大学)はレベルが低いんだ!」
「ほんっと低レベル!!」




えっと…。

いやぁ、その大学で学びたいって受験したのはあなたのお子さんなんですが…怜
天に向かってツバを吐くってこういう感じなのかと思ってしまいました。


もちろん、大学がえらいということではなく。
自分(の子ども)が選んだことを、大否定していることに、気付いていないので。


恐らく、不合格になったことを受け止め切れなくて、何か文句を言いたかったのでしょう。

もしかしたら、お子さんは本当に必死にがんばっていたのかもしれません。
悔しくて、夜も眠れない日々が続いて、だからこそ、文句のひとつも
言ってやろうという気になったのかもしれません。


アドミッションセンターの方へつないで、親御さんの言う、責任ある立場の方に
対応してもらって、おさまったようですが…。
(つないだあとの経緯は知る術がないので。)



こういうとき、どう答えたらいいんだろう、と思います。

不合格者に通知を出さないこと=誠意のないこと、なんだかどうかも…。


選抜を行う以上、受験生を選ぶ立場であり、でも今や選ばれる立場でもある。


今まで、なんだかんだいって、大学は殿様でいられたし、
これからは殿様でいられなくなるんだなってことを、感じています。


こういう問いに対して、自分の信念に基づいて答えを出せるのが、
大学アドミニストレータなんだろうなぁ。

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