うな風呂

やる気のない非モテの備忘録

ぼくの妹は漢字が読める2 かじいたかし  うな

2015年12月03日 | 読書感想
萌えラノベが大ヒットしたせいで萌えに席巻された23世紀人が21世紀にタイムスリップして歴史改変を防ごうとしたりする話

萌えラノベが正統文学ということになったらこうなるよ、というある種のディストピア小説。
設定は面白く、またその設定を活かしたギャグはところどころ笑えるが、全体的に間延びしていてだるい。
一巻目がすごい途中で終わったのもあって二巻まででちょうど話が一区切り。しかし二冊合わせて一冊分の内容があるかないか。
また間延びしている以前にストーリー自体があんまり面白くない。
おそらくこの設定自体がある種のライトノベル批判になるべきなのに、ストーリーや人間関係自体がライトノベルのフレームそのまんまで、意外性も挑戦性もなにもなく、ただのギャグの装置で終わってしまっているからだと思う。
また、力量の問題なので仕方がないが、萌え文化に反対して従来の日本文学の復権を目指す人の日記とかの文章が普通にしょぼいのが残念だった。そこで本当に文学的な文章が書けていれば作品的な凄みがでたんだけど、作者は普通に日本文学読んでなくてイメージだけで語っているんだな、と思った。まあそれだとこのテーマにおける諧謔性はいまいちになるよねえ。

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