弁護士法人かごしま 上山法律事務所 TOPICS

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青少年保護育成条例違反 無罪

2007-05-24 | 刑事
女子高生と「関係」の男性 恋愛認め無罪 名古屋簡裁(朝日新聞) - goo ニュース

※引用
女子高生と「関係」の男性 恋愛認め無罪 名古屋簡裁

 当時高校3年生で17歳だった少女と昨年7月、少女が18歳未満であると知りながらホテルで性的行為をしたとして、愛知県青少年保護育成条例(淫行(いんこう)の禁止)違反の罪に問われた、同県春日井市の会社員男性(32)に対し、名古屋簡裁は23日、無罪の判決を言い渡した。検察側は罰金40万円を求刑していたが、山本正名裁判官は「真摯(しんし)な交際を続けており、自己の性的欲望を満たす目的だけとは言えず、犯罪の証明がない」と述べた。
 判決によると、男性は昨年2月、副店長を務めていた飲食店で、アルバイトをしていた少女と知り合い、同4月ごろからデートを重ねるなど交際。同6月以降、名古屋市内のホテルで7回にわたり少女と性的行為をした。当時、男性は妊娠中の妻と子との3人暮らしだったが、判決では「少女はそうした事情を納得したうえで、互いに恋愛感情から求め合った」「単に反倫理的、不純だというだけでは処罰の対象とならない」と指摘。検察側の「被告は少女の上司である立場を利用して関係を迫った」などの主張を「具体的事実が認められない」と退けた。
 起訴状では、少女が18歳未満であると知りながら、単に自己の性的欲望を満たす目的で性交し、淫行したとされる。
 津熊寅雄・名古屋地検次席検事の話 意外な判決だ。判決内容を詳細に検討した上で、適正に対応したい。


確かに意外な判決ですね。


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5 コメント

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「意外」なんですか? (こうき)
2007-05-24 12:58:46
初めまして。
弁護士さんのブログということで興味があり、時々お邪魔してましたが、初投稿させて頂きます。

素朴な疑問で、これは「意外」な判決なんですか?
私はむしろ「当然だよな」と感じましたので、是非ともご意見を伺いたいなと思い、投稿致しました。

それというのも、私は大学時代、当時15歳の彼女と交際しており、全く別の件で警察署の刑事さんに相談に行った際に、彼女がふざけて「ねー、私がこうきのことを訴えたら、こうきも淫行で捕まっちゃうわけ?」と刑事に聞いたところ、「いや、それは付き合ってるっていう事実を友達なんかも知っていて、しかもそれが一定期間続いてるんだから、さすがにそれは無理だな~。」なんてことを言っていて、僕も安心したものでした。(笑

つまり、私の認識は、「あからさまな金銭の授受」「出会いサイトなどで知り合う」などの条件があって初めて、青少年保護育成条例やらにひっかかる、というものだったのですが、それは法律の専門家の方からしたら、いかがなものなのですか?
間違っていますかね?

お忙しいかとは思いますが、時間が許す時にでもお答え頂けたら嬉しいです。
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Unknown (通りすがり)
2007-05-24 13:50:27
青少年に"不倫"の相手させりゃー有罪だと思うが、どうなん?
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コメントありがとうございます。 (ueyama)
2007-05-24 15:40:10
こうき様、コメントありがとうございました。意外と書いたのは次のような理由からです。
いわゆる「淫行」禁止規定については、「青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような性交又は性交類似行為」をいうという判例があります。
報道によれば、男性は妊娠中の妻と子の3人暮らしということですから、通りすがりさんが書かれているように不倫の相手ということになります。
意外というのは、そういう関係にある場合に、単に自己の性的欲望を満足させるための対象とすることは問題が別だという判断を裁判所が下したことが意外という意味でした。
有罪無罪だけで見ると、無罪と判断できるケースなののかもしれませんが、青少年の保護を考えると今後こういう弁解が増えると思われますので、あまり適切な判断ではないようにも思います。
いずれにしても、こうきさんの大学時代のケースとは前提が違うようです。
余談ですが、この被告人と弁護人、無罪になったのは良かったとして、被告人の家庭はどうなるのでしょうね。奥さんの立場からすると離婚問題に発展するのが自然のような気がしますが・・・。その上、控訴されて逆転有罪とかになったら一層大変です。
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お忙しいところありがとうございます。 (こうき)
2007-05-25 23:03:14
丁寧なお答え、ありがとうございます。

なるほど、確かにこのケースの場合は不倫ですから、私のケースとは前提が異なりますし、「単に自己の性的欲望を満足させるための対象と捉えている」と、裁判官が判断するであろうと考える方が、むしろ妥当ではありますよね。
何せ、妻がいる上での「2番目の相手」なわけですから、どうしても「性的欲望を満足させるため以外に何があるんだ?」と思ってしまいます。(笑

しかし、今回の裁判官の判断がそうではなかったということは、うがった見方をすれば、件の「青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為」という文言には該当しないと解釈出来るケースが、いくらでも出てきてしまうということでもありますよね。

例えば、すぐに想定出来る例で言えば、
・「交際している」が、他の交際相手も同時に存在している
・「交際している」が、会えば必ず性行為をしている
・「交際している」が、頻繁に洋服を買ってあげたり、食事をおごったりしている
などは、どうなのでしょうか?
上述の3つのような場合も、裁判官や検察官各人によって判断が別れてしまうと思われますか?
もしくは、これは明らかに件の判例に抵触する、というものが3つのうち1つでもあるのでしょうか?

またお時間が許す時にでもお答えを頂けたら幸いです。
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コメントありがとうございます。 (ueyama)
2007-05-26 14:35:25
こうき様、コメントありがとうございました。
さて、ご質問の件ですが・・・、おっしゃると おりの危惧を生じさせる可能性はあるわけです。「淫行」という構成要件の定め方にも問題があるのですが、判断者によって有罪無罪が分かれる可能性がありますよね。そこで、考えてみました。
・「交際している」が、他の交際相手も同時に存在している
・「交際している」が、会えば必ず性行為をしている
・「交際している」が、頻繁に洋服を買ってあげたり、食事をおごったりしている
3つのうち、3番目は性交類似行為もないと考えられ、「淫行」には該当しないでしょう。1番目、2番目のような場合、特に2番目の例でも被疑者被告人が私たちは真剣に愛し合っていたんだと供述してこれに関する証拠(一番良いのは被害者の青少年が「私も真剣に愛してました。」と供述することでしょうが・・・)があれば、無罪となる可能性はあるわけです。
今回の裁判があまりよろしくないのではと考えるのは、被告人がそのような弁解をし、それに対する証拠調べをしなければならないほどに、青少年の保護という立法趣旨は不明確なものなのだろうか?ということです。立法の背景には、青少年が判断が未熟だったりするので(もちろん、全員がそうだという意味ではありません。)、社会として保護しなければならないという考え方があると思うのです。被告人が「愛していたんだ。」といい、被害者も「愛していたんです。」と言えば、保護する必要はないというようなレベルの話では内容に思うものですから・・・。
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