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佐賀 北方事件

2007-03-20 | 刑事
北方3女性殺害 松江被告2審も無罪 福岡高裁判決 検察側の控訴棄却(西日本新聞) - goo ニュース

※引用
北方3女性殺害 松江被告2審も無罪 福岡高裁判決 検察側の控訴棄却

 佐賀県北方町(現武雄市)の3女性連続殺人事件で3件の殺人罪に問われた同町出身の会社員松江輝彦被告(44)の控訴審判決公判が19日、福岡高裁で開かれた。正木勝彦裁判長は無罪を言い渡した一審の佐賀地裁判決を支持し、検察側の控訴を棄却した。一審判決は、検察側が死刑を求めたのに対し「被告を犯人と認める証拠や事実は存在しない」として、全面無罪を言い渡していた。
 控訴審で検察側は、被告の車内にあった写真の付着物から検出したミトコンドリアDNA型が、被害女性の1人、中島清美さん=当時(50)=と一致したとする鑑定結果を新たに提出。状況証拠を踏まえ「被告が3人を殺害したのは明らか」と主張していた。
 これに対し弁護側は、「(検出された)ミトコンドリアDNA型と同じ型を持つ人は20人以上おり、女性特定にはつながらない。鑑定を行ったのかすら疑わしい」と反論していた。
 松江被告は遺体発見約10カ月後の1989年11月、別件で起訴拘置中に任意で取り調べを受け、3人殺害を自白する上申書を作成したが、その後に否認。佐賀県警は最初の事件の時効完成まで1カ月を切った2002年6月、吉野タツ代さん=当時(37)=殺害容疑で逮捕。残る2人殺害容疑でも再逮捕、起訴した。
 一審の佐賀地裁は、自白上申書について「任意捜査の限界を超えた長時間の取り調べで作られ、誘導された可能性も否定できない」として証拠不採用を決定。判決は、このほかに「犯人性を推認する証拠はない」として無罪を言い渡し、検察側が控訴していた。


自白「上申書」
供述調書でもない。自白偏重の捜査の限界を認識した上で捜査の手法を考えるべき時期に来ているのではないでしょうか。そういう手法と並行して取調の完全可視化を制度的に導入しないと裁判員制度は持たないでしょう。
 ただ、怖いのは、裁判員制度に向けた可視化導入のために裁判所が偏見を持って自白の任意性、信用性を否定する判断になびくことです。制度が導入されれば(たとえ中途半端な制度でも・・・)、振り子の針が揺れ戻して自白=有罪に固まる危険を感じます。


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