渋谷区の2つのバラバラ殺人事件で、興味深い話が出てきた。
まずは妹殺害事件。
弁護士の会見で「親は必ずしも歯科医になることを強要していなかった。むしろ三浪後は他学部の受験を勧めた」と発表。当ブログだけでなく、他のブログそしてマスコミも、この事件の背景に、奈良の医師宅放火殺人事件と共通する背景が感じられるという論調が強くなってきたために、先手を打って出した感じも受ける。
この親の申し出について、勇貴容疑者は「もう1年、歯学部を受験させてくれ」と自ら申し出たそうだ。歯学部受験断念――歯科医になることを諦めることは、勇貴容疑者にとっては人生の大きな挫折と感じたのであろう。報道によると歯学部に通う長男は外車に乗っていたらしい。そういう裕福な生活の道が閉ざされる決断と感じたのであろう。
いっぽうの夫殺害事件では、歌織容疑者が被害者である夫・祐輔さんのDVに悩んでいたという話が伝わっている。鼻(周辺?)の骨を折られたとか、DVシェルターに避難した時期もあったと伝えられる。こうした状況で、ワイドショーのコメンテイターあたりは「殺さないで離婚すればよかったのに」という感想を述べる人間が多い。しかし離婚は歌織容疑者にとっては、やはり大きな挫折と感じられたのではないか? 伝えられるところによれば、祐輔さんの12月支給予定だったボーナスの金額は約900万円だったそうだ。
共通して感じるのは、歯科医を断念するのも、エリートな夫と離婚するのも、被害者にとっては大きな挫折であり、現実問題として裕福な生活を手放す結果となる。そういう自分につらい結果を選択するよりは、相手を殺してしまったほうが辛くない――そんな決断だったのか?
もちろん、この2つの犯罪は容疑者に最大で第一の非が有るのは動かしようのない事実であるが、「挫折」がもたらす大きな生活の落差――厳しい格差社会の現実が背景に横たわっているように見える。
安倍首相は再チャレンジ社会を提唱しているが、一度の挫折で取り返しのつかない生活の変化が訪れて、それならば殺人を犯した方が「まだマシ」と考えてしまう人間が出てくるのが現実なのは、なんとも痛ましい気持ちにさせられる。
【追記】
週末からいくつかのテレビ局で、事件直後の三橋歌織容疑者の電話を録音したテープが流されている。放送しない某局の番組で「ウチにも話がありましたが、買いませんでした」と言うところを見ると、録音した人間が各テレビ局に持ち込んだのだろう。被害者の元いた会社の関係者で、夫婦共通の友人らしい。夫失踪(当時)の原因は歌織容疑者ではないかと疑いを持って録音したという。そう聞けば、被害者の身を案じて真相究明のために録音したとも考えられるが、テレビ局に売るという行為からは、金儲けも考えていたのではと邪推してしまう。『あれは、あれで良いのかな?』では、今回の2つの事件を分析して、「容疑者は我儘で人付き合いが下手で孤独」と分析しているが、あのようなテープが流失していることからも歌織容疑者には親友と言える人間が皆無だったように感じられる。もちろん、その原因は容疑者が心を開かなかったことが原因となろうが……。あの肉声テープを聞く度に「いとあはれ」という思いを強く持つ。
【追記2】
これもおかにゃんのブログのコメ欄に書いた事の補足だけど、これらの事件は衝撃度の割に、刑は軽い結果になりそうだと思う(あくまでも現時点で判明している部分での判断です)。死刑は有り得ないし、無期懲役にもならないと思う。懲役17~18年くらいかな?
最大の要因は、計画殺人ではなく衝動殺人とされるだろうから。その理由がバラバラにしたこと。武藤容疑者は、予備校合宿の間、遺体を部屋に隠しておくために切断したとのこと。三橋容疑者は遺体を外へ運び出すためにバラバラにしたとのこと。つまりは殺してしまってから遺体の遺棄に困って切断したと弁護側は「衝動殺人」を主張するだろう。もちろん最初から遺棄まで計算して殺すケースもあるが、この2つに関して、それは薄い。
武藤容疑者の場合は、予備校合宿直前に殺害していること。そして「すぐ捨てようと思ったが、年末でゴミ収集が行われていなかったので、部屋に隠しておいた」と言ってること。計画殺人ならば、別な時期を選べばいい。
三橋容疑者は、ワイン瓶で撲殺した手口もそうだが、証拠隠滅のために部屋のリフォームまでしている。そこまでやるなら自宅ではなく、山中などに連れ出して殺した方が楽なはず。
隠蔽工作の悪質さなどはマイナス要因になるが、衝動殺人が立証されれば、計画殺人よりもずっと軽い刑になる。
最後に補足しておくが、武藤容疑者が隠蔽し通して、ゴミとして切断遺体を無事に出せていたとしても、おそらく事件は発覚していた。ずっと前に、ゴミ袋の中から切断された大量の一万円札が発見されたというニュースを記憶している方も多いだろう。発見のきっかけは、ゴミ処理場のモニターに映ったから。全国すべてそうかは知らないが、多くのゴミ処理場では処理の行程をテレビモニターで監視している。死体をはじめ、武器とか覚醒剤とか、そういう違法物が紛れ込んでいないかを調べるためだ。切断遺体ならば99%、発見されていただろう。学校で習う知識だけじゃ完全犯罪なんかできません。まず社会常識が身に付いていないと。別に完全犯罪を教唆してる訳じゃありませんがww
※ゴミ問題に詳しい知人の指摘では、処理場でモニターしている第一の理由は安全対策で、誤って火薬や化学薬品などが混入していたら危険だからだそうです。もちろん死体や違法物などが映ったら確認のうえ警察へ連絡されるそうです。再補足しときます。
まずは妹殺害事件。
弁護士の会見で「親は必ずしも歯科医になることを強要していなかった。むしろ三浪後は他学部の受験を勧めた」と発表。当ブログだけでなく、他のブログそしてマスコミも、この事件の背景に、奈良の医師宅放火殺人事件と共通する背景が感じられるという論調が強くなってきたために、先手を打って出した感じも受ける。
この親の申し出について、勇貴容疑者は「もう1年、歯学部を受験させてくれ」と自ら申し出たそうだ。歯学部受験断念――歯科医になることを諦めることは、勇貴容疑者にとっては人生の大きな挫折と感じたのであろう。報道によると歯学部に通う長男は外車に乗っていたらしい。そういう裕福な生活の道が閉ざされる決断と感じたのであろう。
いっぽうの夫殺害事件では、歌織容疑者が被害者である夫・祐輔さんのDVに悩んでいたという話が伝わっている。鼻(周辺?)の骨を折られたとか、DVシェルターに避難した時期もあったと伝えられる。こうした状況で、ワイドショーのコメンテイターあたりは「殺さないで離婚すればよかったのに」という感想を述べる人間が多い。しかし離婚は歌織容疑者にとっては、やはり大きな挫折と感じられたのではないか? 伝えられるところによれば、祐輔さんの12月支給予定だったボーナスの金額は約900万円だったそうだ。
共通して感じるのは、歯科医を断念するのも、エリートな夫と離婚するのも、被害者にとっては大きな挫折であり、現実問題として裕福な生活を手放す結果となる。そういう自分につらい結果を選択するよりは、相手を殺してしまったほうが辛くない――そんな決断だったのか?
もちろん、この2つの犯罪は容疑者に最大で第一の非が有るのは動かしようのない事実であるが、「挫折」がもたらす大きな生活の落差――厳しい格差社会の現実が背景に横たわっているように見える。
安倍首相は再チャレンジ社会を提唱しているが、一度の挫折で取り返しのつかない生活の変化が訪れて、それならば殺人を犯した方が「まだマシ」と考えてしまう人間が出てくるのが現実なのは、なんとも痛ましい気持ちにさせられる。
【追記】
週末からいくつかのテレビ局で、事件直後の三橋歌織容疑者の電話を録音したテープが流されている。放送しない某局の番組で「ウチにも話がありましたが、買いませんでした」と言うところを見ると、録音した人間が各テレビ局に持ち込んだのだろう。被害者の元いた会社の関係者で、夫婦共通の友人らしい。夫失踪(当時)の原因は歌織容疑者ではないかと疑いを持って録音したという。そう聞けば、被害者の身を案じて真相究明のために録音したとも考えられるが、テレビ局に売るという行為からは、金儲けも考えていたのではと邪推してしまう。『あれは、あれで良いのかな?』では、今回の2つの事件を分析して、「容疑者は我儘で人付き合いが下手で孤独」と分析しているが、あのようなテープが流失していることからも歌織容疑者には親友と言える人間が皆無だったように感じられる。もちろん、その原因は容疑者が心を開かなかったことが原因となろうが……。あの肉声テープを聞く度に「いとあはれ」という思いを強く持つ。
【追記2】
これもおかにゃんのブログのコメ欄に書いた事の補足だけど、これらの事件は衝撃度の割に、刑は軽い結果になりそうだと思う(あくまでも現時点で判明している部分での判断です)。死刑は有り得ないし、無期懲役にもならないと思う。懲役17~18年くらいかな?
最大の要因は、計画殺人ではなく衝動殺人とされるだろうから。その理由がバラバラにしたこと。武藤容疑者は、予備校合宿の間、遺体を部屋に隠しておくために切断したとのこと。三橋容疑者は遺体を外へ運び出すためにバラバラにしたとのこと。つまりは殺してしまってから遺体の遺棄に困って切断したと弁護側は「衝動殺人」を主張するだろう。もちろん最初から遺棄まで計算して殺すケースもあるが、この2つに関して、それは薄い。
武藤容疑者の場合は、予備校合宿直前に殺害していること。そして「すぐ捨てようと思ったが、年末でゴミ収集が行われていなかったので、部屋に隠しておいた」と言ってること。計画殺人ならば、別な時期を選べばいい。
三橋容疑者は、ワイン瓶で撲殺した手口もそうだが、証拠隠滅のために部屋のリフォームまでしている。そこまでやるなら自宅ではなく、山中などに連れ出して殺した方が楽なはず。
隠蔽工作の悪質さなどはマイナス要因になるが、衝動殺人が立証されれば、計画殺人よりもずっと軽い刑になる。
最後に補足しておくが、武藤容疑者が隠蔽し通して、ゴミとして切断遺体を無事に出せていたとしても、おそらく事件は発覚していた。ずっと前に、ゴミ袋の中から切断された大量の一万円札が発見されたというニュースを記憶している方も多いだろう。発見のきっかけは、ゴミ処理場のモニターに映ったから。全国すべてそうかは知らないが、多くのゴミ処理場では処理の行程をテレビモニターで監視している。死体をはじめ、武器とか覚醒剤とか、そういう違法物が紛れ込んでいないかを調べるためだ。切断遺体ならば99%、発見されていただろう。学校で習う知識だけじゃ完全犯罪なんかできません。まず社会常識が身に付いていないと。別に完全犯罪を教唆してる訳じゃありませんがww
※ゴミ問題に詳しい知人の指摘では、処理場でモニターしている第一の理由は安全対策で、誤って火薬や化学薬品などが混入していたら危険だからだそうです。もちろん死体や違法物などが映ったら確認のうえ警察へ連絡されるそうです。再補足しときます。
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