江利チエミファンのひとりごと

江利チエミという素晴らしい歌手がいた...ということ。
ただただそれを伝えたい...という趣旨のページです。

◆ チエミの花売り娘

2016年02月20日 | 江利チエミ(続編)

昭和29年新東宝の総天然色映画第一弾「ハワイ珍道中」

写真はその時のハワイロケでのスナップです。
(ホノルル空港にて)
まだ日本が貧しかったこの時代、当時のハワイは日本人にとって、月と同じくらい遠い所だった。夢のハワイ・・・
そんなハワイに海外ロケを行った新東宝初のカラー作品でした。(総天然色映画)

喜劇でありながらチエミさんの役どころは父親(花菱アチャコ)と生き別れた娘役で、少女歌手として成功して父の移民したハワイで再会...というもの。
この時のチエミさんは演技開眼前...歌手のゲスト出演といった感じがします。

出演は、江利チエミ、花菱アチャコ、伴淳三郎、益田キートン、そして田端義夫、清川虹子、堺駿二、神楽坂はん子...らのオールスターで、監督は喜劇の神様と呼ばれた斉藤寅次郎さんでした。
テロップには 堺正明なる演者も... 現地人の子供役でのマチャアキ御大のデビューでもありました。お父さんは堺駿二さんです。


koniさんの動画 主題歌「チエミの花売り娘」

https://www.youtube.com/watch?v=pipc-6jI0kY

どうも「乗れないな----」っていう感じで歌っているように思えます。
「私はジャズ歌手!こんなお泪頂戴みたいな役はいやだよ----!」って叫んでいる気がします。

27年...デビュー当時の江利チエミを扱う雑誌の多くに次のような内容が多く見受けられます。

ジャズ(厳密にいえばPOPSだが)を歌う15歳の少女...のファンですから、都心部の高校生ファンが多い...という記載があります。

ジャズ=歌謡曲とは違ってハイブローなもの...と捉えられていたかと思います。
高校生=当時の世情を考えれば高校進学率もまだまだ低い...都心部の恵まれた家庭の子息が多い、といえるでしょう。

それゆえ、大映映画への出演などによる「母子鶴」のテーマなどの吹き込みには...
「テネシーワルツ以外(テネシーなどの洋物以外)は歌うな!」というファンの声が多くこれを今後どう対処していくのかが課題である・・・といった記載が多く見られます。

これも過去に何度か掲示している部分ですが、江利チエミの歩んだ道は、新しいものへのトライでもありましたが、ある意味それは「ファンの予想を裏切り続けた道」であったともいえます。

デビュー当時...は、彼女の意志が反映されていないままに周りが動いてしまった。

ジャズ歌手
 --->レコード会社としてはマーケットを広げたい!
        契約した映画会社が「お涙頂戴」の大映だった...
「カバーもの7を歌う天才少女ジャズ歌手」と「2の線の演技で美空ひばり同様に主演映画の主題歌を歌ってヒットさせる」...といった二足の草鞋。

  ...当初のこの思惑は見事に外れます!江利チエミのカラーではありませんでした。

しかし...それが、最初は絶対にイヤといっていたことでも「本人も納得した上」となると話は違っていきました。

乗り気でなかった「三人娘映画」「サザエさん映画」への出演に踏み込む...
これまた「最初は固辞した」民謡のレコード化を実現する...
自分のカラーではないとこれまた最初は雪村いづみさんを説得した「マイフェアレディ」への出演を承諾する... 
  自身の納得してはじめたものは「成功」を収めるのです。

自分で納得した以上頑張る...
これが、江利チエミが江利チエミたる由縁...十年に一度の努力家たる由縁と思います。

しかし...

※ジャズのチエミが好きな(当時の)高校生ファンにとっての「サザエさん」「3の線を生かした三人娘映画やコミカルな役どころの映画」が、全面的に受け入れられたか??

※洋楽ファンが全員「チエミの民謡」を受け入れ喜んだのか??

※逆に「サザエさんでファンになった大衆」が、「ジャズ歌手江利チエミのファン」に抵抗なくなれたのか??

※チエミの民謡で「親しみやすい」と思いファンになった人が、江利チエミということだけで「チエミのジャズ・ポップス」を受け入れられたのか...

江利チエミという人本人にも、そして「ファンにとっても」...
    これはジレンマだった...とも云えます。

しかし...展開が読めない!!という部分では、とても興味深い進路を採った!と云えます。

映画ではアイドル映画で主演をする傍ら、マンガの主人公サザエさんも演じる一方、文芸大作にも出演し評価され、テレビドラマでも多彩な役を演じ、司会も出来てクイズ番組でも活躍...
舞台では、ミュージカルからシリアス劇だけでなく喜劇も座長公演をこなし、
本業の歌でも「歌わなかったジャンルはない」といえるほどに、ジャズ・ポップス・ラテンから端唄・俗曲/民謡、そして歌謡曲まで歌い、亡くなる前日までステージに立っていた...

昭和27年1月のメジャーデビュー当時、これは本人も予想すらできない道筋だたっと思います。多彩な活動を継続していく中には相当のジレンマもあったと思います。
 
映画の出演は「思ったほど多くはない」のですが、その出演作品は多彩です。
 ロードショウ映画の「題名だけ」ですが、その多彩さ...が想像できます。

巣立ちのとき 教育は死なず(1981)
幕末(1970)
ど根性物語~銭の踊り(1964)
ひばり チエミ いづみ 三人よれば(1964)
スター誕生(1963)
この首一万石(1963)
独立美人隊(1963)
ニッポン珍商売(1963)
ひばり・チエミのおしどり千両傘(1963)
  https://www.youtube.com/watch?v=OZELQGJmUfo  https://www.youtube.com/watch?v=065ql9jnDCE
咲子さんちょっと(1963)
  https://www.youtube.com/watch?v=lXQb90S2Wms  https://www.youtube.com/watch?v=0sXlFeRA1Uc
ひばり・チエミの弥次喜多道中(1962)
  https://www.youtube.com/watch?v=Dm9SJbr5imU
銀座の恋の物語(1962)
  https://www.youtube.com/watch?v=Ks9fzEaljUM  https://www.youtube.com/watch?v=IIvuZq2oAr8
東京さのさ娘(1962)
ちいさこべ(1962)
福の神サザエさん一家(1961)
サザエさんとエプロンおばさん(1960)
サザエさんの赤ちゃん誕生(1960)
唄祭ロマンス道中(1960)
  https://www.youtube.com/watch?v=J2JdG2B1Qhk
ふんどし医者(1960)
サザエさんの脱線奥様(1959)
サザエさんの新婚家庭(1959)
サザエさんの結婚(1959)
ロマンス祭(1958)
希望の乙女(1958)
サザエさんの婚約旅行(1958)
青春航路(1957)
歌う不夜城(1957)
  https://www.youtube.com/watch?v=30vV-Trb_cY
サザエさんの青春(1957)
森繁の僕は美容師(1957)
続サザエさん(1957)
ジャズ娘誕生(1957)
  https://www.youtube.com/watch?v=AEUgpWGoK4U
大当り三色娘(1957)
ロマンス娘(1956)
力道山男の魂(1956)
江利チエミのサザエさん(1956)
  https://www.youtube.com/watch?v=1FylBtzX9Zk
恐怖の空中殺人(1956)
チエミの婦人靴(1956)
チエミの初恋チャッチャ娘(1956)
裏町のお転婆娘(1956)
花笠太鼓(1956)
大暴れチャッチャ娘(1956)
ジャンケン娘(1955)
  https://www.youtube.com/watch?v=ddbJULH30hI   https://www.youtube.com/watch?v=mrbegS0LHrI

ジャズ娘乾杯!(1955)
陽気な探偵(1954)
ハワイ珍道中(1954)
青春ジャズ娘(1953)
  https://www.youtube.com/watch?v=0nydZ_8paM4
紅椿(1953)
新やじきた道中(1952)
母子鶴(1952)
  https://www.youtube.com/watch?v=NJ03yqCB3aM
猛獣使いの少女(1952)
  https://www.youtube.com/watch?v=U20waJmBBRA


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