沖縄には「A&W」(通称:エンダー)と「Jef(ジェフ)」という2種類のご当地ファーストフード店がある。エンダーはアメリカから入ってきたそうだけれど、Jefの由来は不明。気にはなっていたものの、ついついメジャーどころのエンダーやその他全国展開しているファーストフード店ばかりを利用していたわたし。しかもJefは、どちらかというと南部で展開されていて、沖縄県内においてもちょっとマニアックな存在だった。
そんなこんなで気になっていたJefに初めて足を踏み入れたのは今年の夏。内地から観光で訪れた友人に「沖縄にしかなくて、行ってみたいファーストフード店があるんだけど・・・。」と持ちかけてみると、ぜひ行こうと二つ返事でOKとなり、ちょっと遅めの朝食代わりに行ったというわけ。
めったに流れないが、テレビCMではしきりに「ゴーヤーバーガー」と「ぬーやるバーガー」の二つを宣伝している。が、決して2種類しかないわけではない。普通に、チキンサンドとかもある。ゴーヤーバーガーは想像できるけれど、“ぬーやる”って何だ?! 地元沖縄の人に聞くとゴーヤーバーガーにポークが入ったのがぬーやるバーガーだという。
とにかく百聞は一見にしかず。そして食してみなけりゃね。わたしはゴーヤーバーガーを、友人はぬーやるバーガーを注文した。ゴーヤーバーガーはシャキシャキ感の残るゴーヤー入りのオムレツ、チーズ、なんだかおいしいソース(マヨネーズ?)が、これまたおいしいフワッフワで熱々のパンに挟まれている。友人が頼んだぬーやるバーガーは、まさにゴーヤーバーガーにポークランチョンミート(と、ひとくちに言っても数社の銘柄が沖縄には存在し、そのどれかは判別つかない・・・)が挟まれたバーガーだった。
パンはフワフワ熱々、ゴーヤーはシャキシャキ、オムレツはやわらかくソースとの相性抜群!で、とてもおいしくいただいた。こんなに美味なのに、わたしのまわりの地元の人はあまり食べていない(と思われる)のが不思議だ。
その後、2回連続ゴーヤーバーガーを食したものの、たまには違うのにも挑戦してみようと、最近遊びに来ていた内地の友だちを、またもやJefへと連れて行った。どこにでもありそうなチキンバーガーを頼んでみたけれど、ゴーヤーバーガーの美味しさにはぜんぜん及ばないというのが正直な感想。CMでイチ押しするだけのことはある。
そしてこのとき、もう一つ面白い発見があった。Jefには、ご飯・目玉焼き(または卵焼き)・ポーク・サラダ、がワンプレートでセットになったモーニングメニューがあったのだ。たまたま行ったそのときに、後ろの席のおばちゃん2人がおいしそうに食していた。まるでホテルやファミレスの朝食ではないか。ファーストフードの領域を超えたJefのメニュー恐るべし。うーん、あっぱれ。
それにしてもJefは、なぜあまりメジャーでなく、北部進出もしていないのだろう。ゴーヤーバーガーの虜になったわたしとしては、県をあげて、エンダーと同じくらいJefをメジャーにしたいところだ。
後日談であるが、いつもお世話になっている本部のお父さんに聞いたところ、“ぬーやる”とは、沖縄方言で「何だこりゃ?!」という意味を表していることが判明。たしかに、ゴーヤー、卵、ポークという組み合わせがパンに挟まっていたら、「何だこりゃ?!」だよね。ナイスネーミング!(続く)