日伊相互文化普及協会

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イチゴと地球温暖化

2008-03-07 15:41:33 | Weblog
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ミラノの腐れ縁の世話焼きばあさんが魔女だったことは以前書きました。
この魔女は日本のスーパーに行くと「ブルーット、ジャッポネーゼッ」といいながら店内を回ります。



昔、「ブローッコリッ、ブローッコリッ」とミラノのブロッコリー売りがリヤカーを引きながら声をあげるように。
ブルットとは「ひどい」「汚い」「醜い」などの意味があります。



魔女は3月のスーパーでイチゴを見たとき、激怒しました。
私は魔女の激怒に慣れているし、なんで怒るのかも分かるので平気ですが、周りの人たちは太ったばあさんがイチゴを見て目を吊り上げている理由は分からなかったでしょう。



イチゴの旬は5月の終わりから6月です。
魔女のお姉さんは幸い魔女ではなく、ミラノの郊外で農家をやっています。この季節の畑の一角にはイチゴの甘い香りが漂っています。もちろん露地もの、それが当たり前のイタリアです。







日本では秋も冬もイチゴを出荷していますが、ハウス栽培で莫大な量の灯油を使います。

この頃地球の温暖化が騒がれていて、ある学校では生徒活動で生徒達が「灯消し隊」ということをやって、その日の日照具合を見て蛍光灯を消したりします。
一方、学校給食ではデザートには、蛍光灯を1万回消したって足りないほどの温暖化悪化の副産物であるイチゴやメロンがのぼります。
灯油の値上がりで高値になったメロンを今までよりカット数を増やして皿につけるなど、苦労をテレビで訴えてもいます。



地域に「監視おじさん」のような人が最近出てきて、家庭を回って「使っていないコンセントは抜きましょう」とお世話をしています。
そんなおじさんも家では真冬のイチゴや暖房育成をした野菜を食べてます。

私たちが季節内の旬を外してまで「食べるという事」に無頓着なのは混沌とした日常で慣らされた麻痺なように思えるのですが。



けっしてイタリア人が環境保護者たちというわけではありませんが、「スタジオナータ(季節もの)」を好み、「フォーリ スタジォーネ(季節外れ)」を避けるイタリア人のスタイルは地球の環境を守る基本のような気がします。




日伊相互文化普及協会         Emi.

P.S.
友人がイチゴ生産をしているとう、当協会の会員の小松さんから聞きました。
小松さんの友人は、このままイチゴの生産をしていると目がつぶれるとお医者さんにいわれたそうです。
ハウス栽培のイチゴは病虫害にやられやすいので大量の農薬を使うそうです。
よその国ばかりを非難できないなあ、と思いました。