日伊相互文化普及協会

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スローフード・中世の晩餐会

2006-12-20 21:26:30 | Weblog
来日していたジャンルーカ先生は今日帰国する。
彼は熱心なスローフーダーだ。「昔の人の食べていたものを思い出すのも大切なこと」
と、毎年16世紀の晩餐会の再現、「ノッツァーノ」というユニークなイヴェントを行っている。



場所はトスカーナの山間の古城。一般の有料参加者は普通の服でもよいが、ルッカ市の招待客は子供も大人も中世のいでたちで来なければならない。
暗くなってくるとタイマツと燭台を灯す。テーブルの上には陶器のお皿とコップ。
16世紀にはまだ個人用のナイフやフォークはなかったので、木のスプーンが置かれる。


食事の前には芸人が芸を披露。



中世の文化を伝えるのもスローフード運動の一つ。


そして昔の宴会の象徴だったリンゴがテーブルの中央に。




人々は揺れるタイマツの灯かりのもとで料理を手でちぎり、歯で噛み切る。スープはスプーンを使うか、器を持って飲む。
料理は豚肉は放し飼いの豚、鳥は野鳥、野兎、古代麦、野生のフィノッキ、野生のルッコラ、野生のチコリア、有機野菜など。ドルチェは野山に自生する果物を使ったお菓子。
調理には電気もガスも使わない。火と炭だけだ。
この宴会は食べ始めて終わるまで6時間続く。







「スローフードで大事なのは、家族揃って食事をすること、そしてこんな風に知らない人とでも食べる時間を共有して楽しむことだよ。」とジャンルーカ先生。
スローフード協会ルッカ会長のピエロやジャンルーカ先生は「ノッツァーノに招待するよ」と言ってくれている。衣装も貸してくれるそう。
今度ノッツァーノの参加計画を立ててみようかな。

                                  Emi