日伊相互文化普及協会

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食・スローフード【スローフードに定義はあるの?】8月1日(火)

2006-08-01 11:06:36 | Weblog
今の日本、どういうわけかあちこちで盛んにスローフードと口にする。
「ゆっくり食べるんだよね」「ゆっくり消化する食べ物よね」「無農薬、有機のことだよ」「地産地消のことだよ」
どれも当てはまらない。無農薬、有機、地産地消に関しては次回に述べよう。

定義があるとして、定義なるものを挙げたら切りがない。スローフードの幅は思いつく以上に膨大だ。けれど大まかな定義に該当するものを挙げてみる。

1)食事の時間を大切にし、コミュニケーションを楽しみながら食事を摂る。
2)次の世代に食の大切さを伝えていく。
3)発酵や醸造など自然が造り上げる食品に人工的な手を加えない。
4)自然に沿った土壌作りをする。
5)伝統のある料理や食材を守る。
6)昔ながらの製法を行う弱小や極小の団体や個人を守る。

これらに加えてスローフードを語るなら、無限のように湧いて出る。

「よく分からないのよねえ」という人は素直。本家のイタリア人たちだって分からない。イタリアではスローフードという言葉を知っている人数は日本よりずっと少ない。
しかし、知らなくてもスローフード協会が言おうとしていること、1)と2)と4)に関しては昔も今もそう変わりない。他の部分では18年前にアメリカ系の企業が進出してきた頃から危うくなりかけた。分けも分からない不安に駆られたというイタリア人たちは変わろうとすることに疑問を抱いた。

アメリカ系といえば、18年前に私はミラノで、「へえ、イタリアにも○ックが」といぶかって店を眺めたことがあった。そして帰国してまた1ヶ月もしないでミラノに戻ると、そこには前に見た○ックの店はなかった。イタリア人の猛反発で撤退したそうだ。
その後も出店しては退店を繰り返して、落ち着いたのはそう昔のことではない。

パニーノだってイタリアンバーガーではないか。なぜそう目くじらを立てるのか。
それはあたりまえだとイタリア人たちはいう。イタリアンバーガーは売る側が生ハム、加熱ハム、サラミ、ソーセージなどの全ての出所をはっきりと客に言うことができるという。また油に敏感なイタリア人たちは○ックの油に不安を感じるらしい。
そしてケチャップ。イタリア人はケチャップは使わないからどの家庭でも置いていない。