日伊相互文化普及協会

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『温泉』 【フォンテ・ヴェルデ・テルメ】 サン・カッシャーノ 2006年6月28日(水) 

2006-06-28 02:22:30 | Weblog
Sirbestoli先生との約束は午後3時。
テルメは白亜の建物、そしてテルメの横には超豪華な五ツ星ホテル。ここに泊まってテルメに通うのだ。昨日のモンテプルチャーノとはだいぶ趣が違う。
「まず、プールね、自由に入っていいわ、特に規則はなし。そのあとテラピー。施設めぐりは5時半からよ」
美人系のシルベストリ先生は視察のコーディネートをして受付に待機していた。
受付でテラピーの料金を払う。高いのだ。ここは私営のテルメだから。
「プールは最初2分入ったら出てね」と私は言う。「そして15分間プールサイドで休息。そして今度は5分入っても。で、今度は20分の休憩。で最後は2分で終わり」
イタリアの温泉は日本とは違う。医療に使うくらいの泉質だから想像ができると思う。で、塩素が入ってないモロ温泉水なのだ。イタリアの温泉に慣れてない日本人が「い~い湯だ~な~」なんて入ってるととんでもないことになる。

みんながプールやテラピーをやっている間、私とドライバーのルーカはテルメの中のバールへ。涼しい。
さっき食べたばかりだけれどおやつを摂ろうということになって、キッシュを頼んだ。高い。ビールも欲しかったドライバーのルーカはあきらめた。
そこへ7人の団体が入ってきた。明らかに普通ではない。大金持ちに間違いない。17歳くらいの女の子もお金やダイヤの匂いがする。(ダイヤの匂いはかいだことがないが)
そういえば、さっきから私たちの目の前をうろうろしてる人たちはみんな「大金持ちですよん」という透明の名札を付けている。

7人の侍ではなく、普通ではない7人の大金持ちたちは、スプマンテの「プロセッコ」、つまり日本で解釈されているシャンパン(シャンパンはフランス語。イタリアではスプマンテという)の辛口を注文した。
みんなさりげなく、そして17歳の女の子までも普通そうに「プロセッコ」を口に運ぶ。
私とルーカは持参したボトルの水を飲んでいる。
「昼間っから!、子供までっ! 高そうな服着てっ!」と、自腹で、プライベートで「プロセッコ」を飲んだことのない、くたびれたシャツ姿の私は面白くない。

ルーカは異常な金持ちどもを相手にしていない。窓の向こうの温泉プールを眺めている。偉い!
私の冷たい視線を浴びた彼らは居心地悪そうに(悪くなかったかもしれない)去ったあと、私は「水っ!」と言ってミネラルウォーターの小ボトルを注文した。高かった。けれどおいしかった。

その後、シルベストリ先生は親切に、根気よく療養の施設やトリートメント、エステの施設を案内してくれた。全ての施設がひとつの建物にあって移動がらくだ。
3階の屋外の温泉ジャグジーからは広大なトスカーナの山々や丘、ブドウ畑などが一望できて、月並みだがまるで天国の絶景だ。そう、ここは高くてもいいのだな。
Emi