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書物と活字の懇話会

竹久夢二を組む

2016年03月27日 | typeKIDS_Library
『童話集 春』は、竹久夢二による全19篇を収載した唯一の童話集です。大正ロマンの香り漂う1冊です。センチメンタルな画風の画家として、あるいは「宵待草」の作詞などで広く知られる竹久夢二が、子供向けの雑誌に挿絵を描き、童謡や詩を発表していることはあまり知られていません。



この童話集から3作品を選んで、それぞれ「いぬまる吉備楷書W3」「さるまる吉備隷書W3」「きじまる吉備行書W3」で組んでみることにしました。「吉備」という書体名は、「柊野(ヒラギノ)、「筑紫」に(知名度として)並び称せられるように、古代国家の名称から選びました。
ちなみに、竹久夢二は岡山県の出身です。岡山市の後楽園のとなりには「夢二郷土美術館」があります。また岡山駅近くには「吉備路文学館」があり、竹久夢二の著書なども所蔵されているそうです。




「いぬまる吉備楷書W3」で読む「大きなこうもりがさ」
「いぬまる吉備楷書W3」は、筆者が第14回(1996年)石井賞創作タイプフェイス・コンテストに出品し、残念ながら2位になった書体をもとに、あらためて自分の筆跡をベースにしてフェルトペンで書いた楷書体です。その制作にあたっては、『近代孔版技術講座基礎科第1部テキスト』(実務教育研究所孔版指導部編集、財団法人実務教育研究所、1971年)に掲載されていた楷書体を参考にしました。
漢字1006字だけの書体なので、不足する漢字については、やむをえずひらがなに開いていますが、童話集なのでその量は多くありません。



「さるまる吉備隷書W3」で読む「人形物語」

「さるまる吉備隷書W3」は、第15回(1998年)石井賞創作タイプフェイス・コンテストのために試作していた書体をもとに、あらためて自分の筆跡をベースにしてフェルトペンで書いた隷書体です。その制作にあたっては、かつて謄写版印刷などで書かれていた手書きのゴシック体を参考にしました。
「いぬまる吉備楷書W3」と同様に漢字1006字だけの書体なので、不足する漢字については、やむをえずひらがなに開いていますが、童話集なのでその量は多くありません。



「きじまる吉備行書W3」で読む「日輪草 日輪草は何故かれたか」
「きじまる吉備行書W3」は、謄写版の書体には行書体は存在しなかったので、もっぱら『書道教範』(井上千圃書、文洋社、1933年)に掲載されたペン字による行書体をお手本にして制作しています。
本文が行書体というと最初は違和感があるかもしれませんが、慣れてくると読みやすいという感想が多く寄せられています。まだまだ改善する余地の多い書体です。もう少し右上がりにして筆勢をきびしくしたいと思っています。




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