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活字書体を使う人のための勉強会

Circle OWN Winter 2020

2020年01月07日 | Circle OWN
日時:2020年1月4日11時〜15時00分
場所:備前焼伝統産業会館/他



JR伊部駅・備前焼伝統産業会館からスタート。昨年公開された奈緒主演の映画「ハルカの陶(すえ)」の岡山・備前ロケ地マップに沿って散策した。各ロケ地にあるQRコードで映画のシーンを見ることができるようになっている。



駅前の公園・炎の里、赤煉瓦の煙突が印象的な桃蹊堂、備前焼が飾られたショーウインドウのある興楽園を経て、天津(あまつ)神社へ。狛犬、参道、屋根瓦に至るまですべて備前焼だ。





昼食は古民家レストラン・衆楽館本店で、備前カレーをいただく。映画の原作になったコミックス版「ハルカの陶」の第2巻にも、ほんの少しだけ紹介されている。以前、閑谷学校前店で食べたことがあるが、こちらはもう閉じられて、今は本店だけになった。



午後から備前市運動公園に向かう。ここからメインの撮影現場となった窯元・天人窯を臨むことができる。



再び駅前に戻り、ロケ地のひとつである備前市立備前焼ミュージアムへ。特別展「獅子十六面相」が開催されていた。とくに宇佐八幡宮(備前市指定)の宮獅子の修理過程の展示が興味深かった。

話は変わるが……



木版印刷とは、木の板に文章または絵を彫って版を作る、凸版印刷の一種である。中国では雕版印刷というそうだ。
木版印刷そのものはタイポグラフィではない。とはいえ中国では、宋朝体、元朝体、明朝体、清朝体など木版から多くの活字書体を生み出してきた。活字書体の源泉なのである。
2016年1月11日(月曜日)、午後から姜尋さんの木版印刷の工房「煮雨山房芸術文化有限公司」を訪問した。
まずは版木彫刻の現場の見学から。薄い紙に文字を書いて、それを裏返しにして貼っていた。彫刻刀で版木を彫っている作業を見せてもらった。彫り終えた行と、これから彫る行の違いがよくわかる。作業中の版木は梨だそうだ。硬い木なので彫刻するには力が要る。
この版木に墨や絵の具などを塗り、紙をあてて上から馬楝(ばれん)で摺って制作する。日本の馬楝は芯を竹の皮で包んだものだが、中国では狭く長い刷毛または櫛形刷毛で摺る。木版印刷の版木と、その印刷物を見せてもらった。彫りが深いのは、印刷部数を多くするためとのことだ。
煮雨山房で製作された木版印刷の書物のひとつ、ノーベル文学賞作家の莫言氏の著書『大風』を見せていただいた。ところどころに剪紙があしらわれている。この本の複雑な綴じ方は姜さんの創案によるものだそうだ。帙も凝りに凝っていた。姜さんは、このほかにも次々に版木や書物を出してきて説明してくれた。

銅版印刷とは、銅製の一枚板を使った凹版印刷の一種である。活字版が陽刻・凸状の版になるのにたいし、凹版は陰刻・凹状の版になる。その素材として銅が多く使われたために、凹版印刷のことを一般的には銅版印刷と呼んでいる。
金属板にじかに彫刻する方法(エングレーヴィング)での銅版印刷は1420年から1430年ごろにかけて、ドイツとイタリアではじめておこなわれた。17世紀以降には腐食銅製技法(エッチング)が主流になったが、フランス宮廷ではエングレーヴィングを銅版印刷の唯一の製作技法と認めていた。
私が「日本カリグラフィー協会CLA」(注1)の通信教育講座「カリグラフィー講座」(注2)を受講したのは、1991年頃だった。
「カリグラフィー講座」の教科書は「イタリック体」、「ブラックレター・ゴシック体」、「カッパープレート体」の3冊とガイドブックがあり、いろいろなペン先と、ペン軸2種、インク4色がセットになっていた。このうちの「カッパープレート体」というのが、銅版印刷の書体だ。
初級コースの講座の受講期間は6カ月だった。3書体それぞれに添削テストがあり、最後にまとめて認定テストを提出するシステムだ。全部で10回の課題を提出することになっていた。
 注1:現在は「日本カリグラフィースクール」(運営は株式会社カリグラフィー・ライフ・アソシエイション)になっています。
 注2:講座の内容はほぼ同じですが「本格入門コース」という講座名になっています。



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