庭と花の物語*西原村

小さな村の小さな庭やそこで育った花々を紹介します。季節の移り変わりとともに。

記憶の中の観音堂      西原村 多々良 

2017年02月16日 | 西原村, 熊本県,

観音堂の話

古い集落には観音堂がある。

真ん中の小さな赤い屋根が観音堂。

 

今では鍵がかかっている。

また、道路の改修のときに建て替えて場所は数メートル移動している。

50年まえは四畳半くらいの板の間で、壁も戸もないお堂だった。

女の子が集まって遊んでいた。

このお堂の横を歩いて、母の実家に夏休みに遊びにいくのが最高の楽しみだった。

坂道を上り、

水路沿いの道を歩き、さらに先の祖父母の家に向かった。

今ではコンクリートの暗渠になっているが。

水路には透き通ったきれいな水が流れていた。のどが渇いた時にはのんだ。

石造りの水路で、水車小屋もあった。

水車小屋の中をのぞくのも好きで、穀物の香りを全身で浴びたのだった。

そのとき子供だった私だが、粉っぽい穀物の香りを鮮明に記憶している。

この坂道は、バス停から祖父母の家までの道の中で、唯一の近道。

水路にもなっていたので、どれだけ歩きにくかったか、説明するのも難しい。

しかしここを上ると観音堂の横に出る。

 坂道の左側が観音堂。   昔は右側。

 

そして母が本家の本家と呼んでいた家がある。

祖父母の家はとっくの昔になくなっているので、本家の本家、私の記憶には何もないが懐かしいと思う。

不思議。

観音堂にはもちろん観音様が祭られていた。おそらく古くからだろう。

しかし観音像は盗まれてしまった。

鍵もない田舎のお堂の観音まで盗むのはばちあたりだ。

西原村のほかの観音堂の像も同じ被害にあっている。

私もあそんだお堂。母も遊んだお堂。 花が供えてあった。

あそびに興じていたが、記憶の底に残っている。

 

 



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